ウェブページなどにおける虚偽の誇大広告が損害賠償に発展した事例

ウェブページなどにおける虚偽の誇大広告が損害賠償に発展した事例…

弁理士の富田です。

今回は不正競争防止法に関する判例の紹介です。
ある企業が業務用生ごみ処理機の販売実績を過大に表示し、不正競争防止法違反とされた事例です。
このケースでは、製品の「全国導入実績」に関する虚偽の表示が問題となりました。

【法的な問題点】
この判例での主要な争点は、商品の品質や販売実績に関する虚偽の表示が消費者の誤解を招き、不正競争にあたるかどうかでした。判決では、企業が提供する情報の誤りが競争上の優位を不当にもたらす行為とみなされました。

【企業への影響と対策】
情報の正確性: 企業は広告や商品情報において、事実に基づいた正確な情報を提供する責任があります。
リスク管理: 誤解を招く可能性のある表示に対しては、リスクを評価し、適切な管理体制を整備することが求められます。

【結論】
この判例から学ぶべきポイントは、企業が提供する情報の透明性と正確性の重要性です。
消費者の信頼を損なわないためにも、企業は自社の表示に責任を持ち、常に法的基準を遵守する必要があります。

【今回紹介する事例】
令和4年(ワ)第2551号 損害賠償請求事件 不正競争 民事訴訟

【判決のポイント】

  1. ウェブページなどにおける虚偽の誇大広告(たとえば虚偽の販売実績の掲載)は、同業他社の同種商品に比べて優れたものであることを強調することになる。
  2. それにより、需要者に対し、品質において優れた商品であるとの権威付けがされる。
  3. また、他の需要者も購入しているという安心感を与えることになる。
  4. その結果、需要者が商品を購入するか否かの合理的な判断を誤らせる可能性がある。
  5. そうすると、このような虚偽の誇大広告は、「品質」について「誤認させるような表示」に該当すると認められる。
  6. すなわち、このような虚偽の誇大広告は、不正競争行為(不正競争防止法2条1項20号)に該当し、損害賠償責任を負うことになる。

以下、判決の抜粋。

生ごみ処理機を販売する原告が、被告に対し、被告ウェブページにおける、被告の販売する業務用生ごみ処理機に係る表示は、その品質について誤認させるような表示であり、同表示をする行為は不正競争(不正競争防止法2条1項20号)に該当し、これにより原告の営業上の利益が侵害されたとして、不正競争防止法4条に基づき損害賠償を求めた事案。

被告ウェブページにおける
(1)「全国導入実績2,500台以上」との表示は、被告が販売している業務用生ごみ処理機、すなわち被告商品は、全国で2500台以上が販売されているとの事実を、
(2)「ゴミサー/ゴミサポーターはその処理方法・性能が多くの企業・施設で認められ、おかげ様で現在、全国で2,300台以上が稼働しています。」との表示は、被告商品は、その処理方法及び性能が多くの企業や施設で認められたため、全国で2300台以上が販売されたとの事実を、
(3)「全国・海外での導入実績は3,500台以上。」との表示は、被告商品は、全国及び海外で3500台以上が販売されたとの事実を、
需要者に対し認識させるものであると認められる。

他方で、前提事実によれば、被告商品の過去の累計販売数は2300台に達するものではないことが認められ、上記(1)、(2)及び(3)の表示(これらを併せて「本件誤認惹起表示」という。)は、いずれも、実際の販売実績とは異なるにもかかわらず、多数の被告商品が販売されており、このような販売実績は、被告商品のごみ処理方法及びその性能が他の同種商品に比べて優れたものであることに起因することを強調するものであって、その結果、需要者に対し、被告商品がその品質において優れた商品であるとの権威付けがされ、また、他の需要者も購入しているという安心感を与えることになるため、需要者が商品を購入するか否かの合理的な判断を誤らせる可能性があるというべきであるそうすると、本件誤認惹起表示は、「品質」について「誤認させるような表示」に該当すると認められる。

そして、被告は、本件誤認惹起表示が、原告商品に関するものであり、被告商品に関するものではないことを認識しつつも、これを掲載し続けているのであるから、被告は、故意により、虚偽の販売実績を被告ウェブページ上に表示させていたものと認めるのが相当である。以上によれば、原告の請求は理由がある、として原告の請求は認容された。

 

本日もお読みいただいて有難うございました。

富田国際特許事務所

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Author Profile

富田 款国際弁理士事務所 代表弁理士
■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。

【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団

【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など

【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。

【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」

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