虚偽の事実に基づく広告

弁理士の富田です。
アメリカでは、こんな刺激的な広告が流れているんですね。驚きです。
どう考えても、マクドナルドの営業妨害に見えるCMです。

このようなCM(広告)を日本国内で同業他社が流した場合、
わが国の不正競争防止法上、どのような問題が生じうるでしょうか。

まず、不正競争防止法では、禁止される不正競争行為の一つとして、
次の行為を規定しています。

競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を
告知し、又は流布する行為

虚偽の事実』とは、客観的事実に反する事実をいいます。
つまり、客観的に実証できない事実は、虚偽の事実に該当することになります。
上記の刺激的なCMの内容は、その表現や内容が間接的であるため微妙な判断が必要となりますが、
日本国内では、客観的事実に反する事実に該当するといえるでしょう。

流布』とは、例えばテレビやインターネットなどで、
ライバル会社の商品のありもしない欠点を指摘したりする行為を指します。
このCMの内容は、『マクドナルドのハンバーガー』=『死』を連想させますから、
ありもしない欠点を流していると判断される可能性が高いです。

このような法解釈に基づいて検討すると、
上記の刺激的なCMを同業他社が日本国内で流した場合には、
競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を流布する行為』、つまり不正競争行為に該当
する可能性があるといえます。

このように考えてみますと、
アメリカで流れている比較広告等の手法を日本にそのまま持ち込むのは、
法的に難しい面があるといえます。

本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所

 

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Author Profile

富田 款国際弁理士事務所 代表弁理士
■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。

【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団

【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など

【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。

【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」

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〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-16-9 双葉ビル5F
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TEL:03-6205-4272     FAX: 03-3508-2095
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