日本の特許庁へ意匠登録を申請してから約1年。
かなり時間がかかりましたが、アップルのiPhone 5のデザインが、ついに日本でも意匠登録。
弁理士の富田です。
今回紹介するのは、アップルのiPhone 5の意匠登録。
現物が発売されてから一年が経ち、もはや見慣れてしまったスマホですが、
日本の特許庁でもやっと意匠登録されました。
出願日から登録まで約1年かかっており、
意匠出願の審査としては比較的長期間を要したと言えます。
権利者:アップル・インコーポレイテッド、意匠登録番号:1486474。
日本特許庁への出願日:平24.11.29、登録日:平25.11.15。
登録されたデザインは下記のとおり(権利内容の全文PDFはコチラ)。
なお、今回登録されたiPhone 5の意匠権は、『部分意匠』として登録されています。
つまり、図面において『実線』で表示された部分が意匠登録された特徴的デザイン部分であり、
その他の『点線』で囲まれたデザイン部分は、有っても無くてもどちらでもいい部分となります。
このように部分意匠制度を活用してデザインを意匠登録することにより、
細かい部分、例えばボタンやスイッチの形状や位置などを限定することなく、
特徴的部分、例えばiPhone 5の場合では全体のフォルムだけを意匠登録することができます。
その結果、巧妙な模倣(細かい部分のデザインを適当に変えつつ全体のフォルムだけをパクるような模倣)を
防止できるといったメリットが得られます。
全体の一部に特徴的デザインが施されている場合などには、
一般的には、デザインの全体を意匠登録するよりも、部分意匠として登録するのが得策といえるでしょう。
本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所
Author Profile
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■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。
【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団
【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など
【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。
【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」
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