Amazonのビジネスモデル特許、その権利内容とは… (前回の続き)

中古アプリ、中古電子書籍などのデジタル取引に関するAmazonのビジネスモデル特許。
その権利内容とは、、、

弁理士の富田です。
今回は、前回紹介したAmazonのビジネスモデル特許の続きです。(前回の記事はコチラ

 

今日は、このAmazonの権利内容について見てみたいと思います。(権利内容の全文PDFはコチラ。)

さて、ビジネスモデル特許と言われる特許権のなかには、
権利範囲が著しく狭くて実質的に無価値といえるものも多いため、
その権利価値を判断するために、『特許請求の範囲 (Claims) 』を見てみる必要があります。

 

前回紹介したAmazonのビジネスモデル特許の『特許請求の範囲 (Claims) 』は、
下の画像に示すような内容になっています。(請求項1/Claim1だけを代表的に掲載)

 

権利者:Amazon Technologies, Inc.
発明の名称:Secondary market for digital objects
出願日:2009年5月5日
登録日;2013年1月29日

 

Amazonのビジネスモデル特許

Amazonのビジネスモデル特許

 

上記の特許権は、マーケットプレイスの『システム』に関するものであり、
その権利内容は、ざっくりと言って、
第1のユーザと第2のユーザとの間で
中古デジタルオブジェクト(中古電子書籍、中古アプリ、中古音楽ファイル、中古映画ファイルなど)を
トランスファーするといった内容になっています。

 

そして、このビジネスモデル特許の権利内容を構成しているシステムの主な特徴は、
・中古デジタルオブジェクトをトランスファーするリクエストを受け付け、
・所定のビジネスルールを満たした場合に、中古デジタルオブジェクトをトランスファーすることを許可し、
・前記許可に基づいて、当該中古デジタルオブジェクトを、第1のユーザから第2のユーザのストレージにトランスファーし、
・最後に、トランスファーしたオブジェクトを、第1のユーザのストレージから削除する、
といった内容になっています。

 

このように、ざっと見た感じでは、権利範囲を不要に狭める要素は認められず、
私見ではありますが、中古デジタルオブジェクトの基本特許であって、価値ある特許権の一つであると認められます。

 

もっとも、実現できなければ、無価値の紙屑同然の権利となるので、
権利切れになる前に(出願日から20年間の満了前に)実現してほしいものです。

 

本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所

 

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Author Profile

富田 款国際弁理士事務所 代表弁理士
■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。

【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団

【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など

【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。

【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」

【富田弁理士への問い合わせ先】
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-16-9 双葉ビル5F
富田国際特許事務所
TEL:03-6205-4272     FAX: 03-3508-2095
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【企業名】富田国際特許事務所

 

【代表者】弁理士 富田 款

 

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