外国法人が日本国内の住所を記載して特許出願する場合

外国法人が、日本国内の住所を記載して特許出願する場合がある。
このような場合、書類の記載が不適切だと『
法人』として認められない場合があり、
全部事項証明書等の提出を求められることになる。

弁理士の富田です。

 

日本の特許制度によれば、特許権を取得できるのは、
個人と法人(外国法人を含む)に限定されています。
つまり、法人格を有しない任意団体は権利主体になることはできません。

 

日本の法人といえば、通常、株式会社や有限会社といったものになりますが、
外国の法人には、Inc、Corporation、LLPなど、日本では聞きなれない種類の法人があります。

 

こういった、Inc、Corporation、LLPなどの外国法人は、日本の法人と同様に、
日本国内において特許出願して、日本の特許権を取得することができます。

 

ただし、Inc、Corporation、LLPなどの外国法人が、
日本国内の営業所等の住所を記載して特許申請する場合には、
適切に記載しないと、法人ではなく任意団体であるとして、
補正指令(履歴事項全部証明書等の提出命令)を受ける場合があるので注意が必要です。

 

この点に関し、特許庁は次のとおりに記載するべきことを規定しています。

 

その法人の名称が法人を表す文字を含まないものであるときは、
【氏名又は名称】の欄(代表者の欄を設けたときはその欄)の次に、
【法人の法的性質】の欄を設けて、
・「○○法の規定による法人」、
外国法人にあつては「○○国の法律に基づく法人」
のように当該法人の法的性質を記載する。

 

日本に営業所を有する外国法人であって、
日本における代表者が手続を行うときは、
【氏名又は名称】の次に【日本における営業所】の欄を設けて、営業所の所在地を記載し
その次に「【代表者】」の欄を設けて下さい。

 

ですから、外国法人が日本国内の住所を記載して特許出願するときには、
必要に応じて、法的性質(○○国の法律に基づく法人)日本における営業所
記載すべき点に注意する必要があります。

 

本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所

 

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Author Profile

富田 款国際弁理士事務所 代表弁理士
■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。

【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団

【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など

【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。

【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」

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〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-16-9 双葉ビル5F
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TEL:03-6205-4272     FAX: 03-3508-2095
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