スマホの環境光センサー(輝度センサー)の搭載位置、
将来的には、ベゼルではなく『ディスプレイ』に内蔵!?
弁理士の富田です。
多くのスマホのディスプレイ上部、通話用スピーカーの近くには、
『環境光センサー』が取り付けられています。
『輝度センサー』や『照度センサー』なんて呼ぶ人もいます。
この環境光センサーがあることで、スマホ周辺の明るさが自動検出され、その結果、
周辺光の明るさに合わせて、画面の明るさを適度に自動調整することが可能になるわけです。
しかし、技術の進歩は速いもので、
スマホのベゼルサイズ(枠部分のサイズ)は増々細くなり、
いずれ、『環境光センサー』の取り付け位置の確保が問題となるときがきます。
かといって、
今までどおり『環境光センサー』を通話用スピーカーの近くに付けていると、
ベゼルを細くできない…。
(まぁ、それを言うと、通話用のスピーカーやマイクの取り付け位置も問題となるわけですが…
今回は、それは問わないとにします。)
このような『環境光センサー』の取り付け位置の問題を解決すべく、
考え出されたアイデアが、今回紹介する下記の米国特許出願です。
アップルが米国で申請したこの特許出願によれば、
ディスプレイ(14)を透過した周辺光を受け取るように、
ディスプレイ(14)の一部分に環境光センサー(40)が取り付けられています。
ディスプレイ(14)に取り付けられた、この環境光センサー(40)は、
フィルム状の光電池を具備していて、
太陽電池としても機能するようになっています。
したがって、この環境光センサー(40)は、
・周辺光の輝度を計測するセンサーとして機能するほか、
・ディスプレイを透過した周辺光によって発電する太陽電池としても機能するようになっています。
しかも、従来のスマホのようにベゼルに取り付けるのではなく、
ディスプレイに取り付けるようになっているので、
ベゼルが細くなっても問題無しというわけです。
そのうち、この『太陽電池機能付き環境光センサー(40)』を標準装備したiPhoneが発売されるかもしれませんね。
なお、本日紹介した米国特許出願の全文PDFはコチラから。
本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所
Author Profile
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■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。
【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団
【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など
【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。
【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」
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