エアバスが申請した『立ち乗りシート』の特許出願の内容とは…
弁理士の富田です。
ヨーロッパの航空機メーカー『エアバス』が
航空機の立ち乗りシートに関する特許を申請した、
との報道を目にしました。
気になる内容だったので、
早速、該当する米国特許を探してみたところ、
それらしきものを発見しました。
こちらが、その『立ち乗りシート』と噂される
エアバスの米国特許出願です。
※ 画像をクリックすると、申請内容の全文PDFが見れます。
上の図面を見る限りでは、
『立ち乗り』というより、
『簡易型のシート』といったところでしょうか。
申請内容の中身をみたところ、
簡易型のシート構造の特徴が記載されていました。
このシート構造は、
・折り畳み式のシート部と、
・バックレスト部と、
を有していて、
シート部が畳み込まれたときには、
バックレスト部が、円弧を描くように、前方および上方へ向かって畳み込まれるようになっています。
このように航空機のシートを折り畳み可能に構成することで、
座席面積を少なくすることができ、
より多くの乗客を収容することができるのだとか。
ということで、
『立ち乗り飛行機』に関する特許申請ではないようです。
きちんと座れますので…。
なお、
シートベルトをどうするのか気になったので、
ざっと見てみましたが、
その点についての記載は無いようです。
アイデアの一つとしては良いと思いますが、
実際の旅客機への採用は難しいのではないでしょうか…。
緊急時に使うエマージェンシー・シートしての利用や、
軍事用の航空機への採用なら、あり得るかもしれませんね。
本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所
Author Profile
-
■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。
【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団
【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など
【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。
【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」
【富田弁理士への問い合わせ先】
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-16-9 双葉ビル5F
富田国際特許事務所
TEL:03-6205-4272 FAX: 03-3508-2095
※ 富田弁理士へのEMAILはコチラのメールフォームよりお願いいたします。
最近投稿した記事
- 2024-03-08特許「学習済みモデル」について特許申請する場合に留意すべき明確性要件
- 2024-03-07弁理士 富田款AI技術関連の特許出願におけるサポート要件の理解
- 2024-03-06特許AI技術を活用したレーザ加工装置の特許事例について
- 2024-03-01商標「デコピンくん」商標出願の波紋