出願書類の『閲覧請求』と『交付請求』の違いとは・・・

出願書類の『閲覧請求』と『交付請求』の違いとは・・・

 

弁理士の富田です。

 

さまざまな事情により
他人が過去に申請した特許出願や商標登録出願などの内容（手続き書類等の中身）を
見たい場合があります。

 

その場合、

①　ファイル記録事項の閲覧（縦覧）請求書

②　ファイル記録事項記載書類の交付請求書

のいずれかを特許庁に提出して、
手続書類の『閲覧』または『交付請求』を申請することになります。

 

そこで問題になるのが、
『閲覧請求』と『交付請求』の違いなわけですが、
今回はその点について書きたいと思います。

 

ファイル記録事項記載書類の『交付請求』

『交付請求』とは、文字どおり
手続き書類の写し（印刷物）の交付の請求を意味しています。

 

請求人が指定した住所に
その印刷物（手続き書類一式の写し）を郵送してもらうことができます。

 

交付請求の場合、
一般的に郵送によって書類が交付されるので、
書類の中身を確認できるまでに時間がかかりますが（数日かかる）、

対象書類のページ数が多い場合には、
この交付請求を利用するのがよいといえます。

 

その他、
交付請求の印紙代は１０００円なので、
閲覧請求（６００円）に比べて少々割高です。

 

ファイル記録事項の『閲覧請求』

『閲覧請求』は、本来、
特許庁に出向いて特許庁に置いてある端末を利用して
手続き書類の中身を画面上で『見るだけ』の請求を意味していました。

 

が、近年では、
インターネット出願ソフトが導入され、

この出願ソフトを利用した閲覧請求によって
インターネット経由で書類の中身を見ること＋ダウンロードができ、

さらに、
そのダウンロードした書類を
ユーザ側のＰＣでプリントアウトできるようになったので、

『閲覧請求』と『交付請求』の実質的な違いは無くなったといえます。

 

なお、
閲覧請求の印紙代は６００円であって、
交付請求（１０００円）に比べて少々割安で、

しかも、
インターネット出願ソフトを利用した閲覧請求であれば、
１０分程度で閲覧＋ダウンロードが可能になるので、

一般的には、
交付請求よりも閲覧請求の方が利用頻度が高いといえます。

 

本日もお読みいただいて有難うございました。

虎ノ門 富田国際特許事務所