『歩きスマホ』の危険性を緩和する技術、アップルが特許申請
弁理士の富田です。
『歩きスマホ』。
歩きながらスマホを操作する行為のことです。
『ながらスマホ』とも言います。
この『歩きスマホ』または『ながらスマホ』、
前方を見ずに、スマホの表示画面に集中しながら歩くため、
通行人に衝突する可能性や、交通事故に巻き込まれる可能性があり、
危険な行為であることは言うまでもありません。
この『歩きスマホ』、
スマホが登場する前の『ガラケー』の時代からその危険性は指摘されていましたが、
いまだにその数が減ることはありません。
そこで、このような『歩きスマホ』による事故を少しでも減らそうと、
米国のアップル社が、『歩きスマホ』の危険性を緩和する技術について特許申請したので、
今日はそれを紹介したいと思います。
※ 下の画像をクリックすると、申請内容の全文PDFを閲覧できます。
上の図面には、スマホが描かれています。
LINEのようなメッセンジャー・アプリを使って、
メッセージをやりとりしている様子を示しています。
画面に表示されるメッセージ部分を半透明で表示するとともに、
その背景画面(メッセージの背景となる画面)に、
スマホの背面カメラで撮影した『実際の背景映像』を合成表示するようになっています。
上の図に示す事例の場合は、
背景に『大きな木』が写っていますね。
おそらく、ユーザの目の前には、
実際にそのような『大きな木』があるのでしょう。
つまり、
仮にスマホがなければ、ユーザの視界に映るはずの背景が、
スマホの画面上に、背景映像となって合成表示されるわけです。
その結果、ユーザの目には、
スマホの背景側が透けて見えるようになるわけです。
もちろん、
このアプリが起動している間は、
スマホの背面カメラによって、背景の撮影が継続され、
スマホ上に表示される背景映像は、LIVE映像の如く更新され続けますから、
ユーザは、画面上のメッセージに目を向けながら、同時に、
スマホの画面上で、進行方向(スマホの背景側)の様子を随時把握できることになります。
おもしろい発想ですね。
『歩きスマホ』の危険性がゼロになるわけではないですが、
LINEなどのアプリに導入してほしいアイデアといえます。
本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所
Author Profile
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■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。
【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団
【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など
【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。
【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」
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