iBooksの『ページめくりアニメーション』、その知的財産はどのように保護されているのか
弁理士の富田です。
iBooksの『ページめくりアニメーション』。
タブレット端末で電子書籍を閲覧する際、ページをめくると、
ページの端がめくれあがってカールした状態に表示される視覚的効果です。
アメリカでは、『ページ・ターン・アニメーション』などと呼ばれています。
iPadをお持ちの方なら、一度は見たことあると思います。
ピンとこない方はコチラの動画をご参照ください。
このページ・ターン効果そのものは、
特許制度で保護することが可能なカテゴリーに属しますが、
今日では技術的な斬新さに欠けるため特許権を取得することはできません。
では、iBooksの『ページめくりアニメーション』の知的財産は、どのように保護されているのか。
実は、iBooksに『ページめくりアニメーション』を採用したアップル社は、
このページ・ターン効果について米国で『デザイン特許』を取得しています。
上記のように、
動作を伴った視覚的効果に特徴のある『画面デザイン』について、
デザイン特許を取得している点が非常に興味深いといえます。
(権利内容の全文PDFはコチラ)
なお、現状の日本の意匠制度(デザイン特許の制度に相当)では、
保護するデザインを物品の外観に限定しているため、
物品から離れた画面デザイン(例えばアプリの画面デザイン)について単独で意匠登録することができません。
現在、法改正に向けて準備が進められているとのことなので、
近い将来は、アメリカのように画面デザインが単独で保護できるような制度になることを期待したいと思います。
本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所
Author Profile
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■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。
【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団
【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など
【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。
【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」
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