特許出願をする場合の『新規性喪失の例外』の適用について

07.23


弁理士の富田です。

今日は、特許出願をする場合の『新規性喪失の例外』の適用について述べます。

 

私の主な業務の一つに、特許庁に対する特許出願があります。

クライアントからの依頼に基づいて、発明者にインタビューを行い、

特許出願の原稿を作成して特許庁に提出する業務です。

この特許出願された発明が『特許権』として権利化されるためには、

出願された発明が、出願時において『新規』であること

つまり、出願前に発明が公然と知られていないこと(公衆に知られていないこと)が必要です。

逆に言えば、出願前に発明を公にしていた場合には、

原則として、その発明について特許を受けることはできません。

 

ところが、この『新規性』に関する要件を軽視している方が多くいるように見受けられます。

論文発表、学会発表、業界紙への掲載、発明品の販売や展示など、

特許出願の完了前に発明を一般公衆に開示してしまうケースが多く見受けられます。

現代社会において怖いのは、

これらの公の事実が『検索キーワード』に引っかかった場合には、簡単に見つかってしまうことです。

特に、SNSが発達した現代社会では、発明品の販売や公開の事実は、

ブログやFacebookなどに写真などとともにアップされる可能性があり、

これらの事実は、特許出願の拒絶理由や、特許権の無効理由の証拠として利用される可能性があります。

 

あなたが『この程度ならたぶんバレない』と思っても、

誰がどこで、あなたの発明をインターネット上に曝しているか分かりません。

この点に十分に留意する必要があります。

 

ですから、発明を特許出願する前に公にしていた場合(例えば販売や展示などの場合)には、

必ず、その事実を弁理士に伝えて、特許出願の際に『新規性喪失の例外』の適用を受ける必要があります。

 

最後に大切なこと一つ。

『新規性喪失の例外』の適用申請は、特許出願の後では行うことができません。

ですから、出願前に発明を公にしていた場合には、

特許出願の依頼時に、必ず、その旨を弁理士に旨をお伝えください。

 

本日もお読みいただいて有難うございました。

虎ノ門 富田国際特許事務所

 

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Author Profile

富田 款国際弁理士事務所 代表弁理士
■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。

【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団

【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など

【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。

【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」

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