わが国の特許出願と職務発明制度

09.06


知財セミナー01-9

弁理士の富田です。
さて、上の図はわが国の特許出願の企業・個人別の比率を示したものです。

この図をご覧いただくと分かるとおり、
わが国の特許出願の約97%が企業によって申請されるものでありますから、
わが国のほとんどの特許出願は、何らかの形で『職務発明』が関与しているといえます。

このような職務発明についての『特許を受ける権利』を企業側が従業員から譲り受けた場合、
企業は当該発明について自己の名義(法人名義)で特許出願できる一方で、
企業は『相当の対価』を従業員に支払う義務を負います。
つまり、対価を支払うことなく、一方的に譲り受けることはできません。

この『相当の対価』については、青色発光ダイオード事件に代表されるように、近年では訴訟が頻発していますが、
対価の決定基準が未だに不透明なこともあり、対価に関する企業の取り決めやその対価の額によっては、
従業員との間でトラブルが生じ、訴訟に発展する可能性があります。

知的財産に関する従業員の権利意識は、今後も増々高まってゆくことが想定されるため、
対価に関する訴訟リスクを可及的に回避するためにも、
従来より使いまわしてきた就業規則や対価の決定基準などが、現在の法律の職務発明規定や裁判例に即しているか、今一度見直すことが得策であるといえます。

本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所

 

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Author Profile

富田 款国際弁理士事務所 代表弁理士
■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。

【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団

【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など

【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。

【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」

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〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-16-9 双葉ビル5F
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