複数の企業が共同で特許出願する際の留意点

09.23


弁理士の富田です。
さて、今日は、複数の企業が共同で特許出願する際の留意点について解説します。

企業の従業員が職務を遂行する上で発明を完成させた場合、当該発明は一般的に『職務発明』に該当するといえますから、
企業は勤務規定に従ってこの職務発明に関する権利(特許を受ける権利)を予約承継することが可能です(特許法35条2項)。
これは、複数の企業の従業員が共同で職務発明を完成させた場合にも、同様に適用することが可能です。

ただし、発明を完成させた従業員が複数人いる場合には、発明に関する権利の譲渡には、
発明者である従業員の相互の同意が必要となります(特許法33条3項)。

したがって、職務発明の完成に、複数企業の従業員が関与している場合において、
当該複数の企業が自己の従業員から権利(特許を受ける権利)を承継するためには、
予約承継を定めた勤務規定等だけでは足らず、当該複数の従業員の相互の『同意』が必要となります。

特に、建設関係や土木関係などの特許出願では、複数の企業が共同で特許出願する場合が多いといえますから、
このような分野の発明について複数企業が共同で特許出願する場合には、
従業員からの権利譲渡のみならず、権利譲渡に関する従業員の相互の同意を得ることに留意する必要があるといえます。

本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所

 

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Author Profile

富田 款国際弁理士事務所 代表弁理士
■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。

【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団

【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など

【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。

【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」

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