早期出願公開の請求による企業防衛

10.12


photo credit: M i x y via photopin cc

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弁理士の富田です。
さて、企業が特許出願する場合には、独占権である特許権の取得を目的とすることが多いわけですが、これ以外の目的として、他人による特許権の取得を阻止するといった防衛目的で特許出願することもあります。

特許出願の内容は、原則として出願日から1年6か月経過後に公に公開されますから、その公開後に他人が同様の発明について特許出願しても特許権を取得することはできません。(公開された公知文献に基づいて新規性・進歩性が否定されるため。)

こういった後出し出願(特にライバル会社の特許出願)の権利化を阻止することを主たる目的として、特許出願される企業も多く存在します。そして、このように他人の特許出願の権利化を阻止することが主目的(すなわち防衛目的)の場合には、『早期出願公開の請求』(特許法64条の2)を利用することができます。

この早期出願公開を請求することで、特許出願の内容は、『出願日から1年6か月』の経過を待つことなく早期に公開され、その公開公報は公知文献となります。そしてその後は、同一発明・類似発明について第三者が特許出願しても、その発明について特許権を取得することができなくなります。

したがって、第三者による特許権の取得を阻止したい場合には、すなわち『防衛』が主たる目的の場合には、早期に特許出願するとともに早期出願公開を請求するのも得策といえます。

なお、早期出願公開を選択する場合には、
・いったん請求した早期公開の請求は取り下げることができない(特許法64条の2第2項)、
・早期公開後に改良発明について更に特許出願した場合、その改良発明が進歩性なしとして拒絶される可能性がある
とった点に留意する必要があります。

本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所

 

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Author Profile

富田 款国際弁理士事務所 代表弁理士
■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。

【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団

【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など

【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。

【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」

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