不正競争防止法で禁止された、『他人の商品を利用した不当表示』
弁理士の富田です。
今日は、前回に続いて不正競争防止法に関する話題です。
同業他社が販売している優良商品に便乗して
自己の商品の内容や品質が優良であるように『誤認』させる広告。
前回の記事で書いた通り、このうような広告は、
寄生的広告行為であるとして、不正競争防止法で禁止されています。
今回は、この寄生的広告行為に関する判例を紹介します。
香りのタイプ事件(東京高判昭56.2.25)では、
自社製品の香水が、世界的に著名な香水と「香りのタイプ」が同じであると広告する行為について
寄生的広告行為に該当するか否かが争われました。
この点に関し裁判所は次のとおりに判示しています。
香りの調子又は香りのタイプの点において
同じであるとの趣旨を表現しているにすぎず、
両者の香りそのものが同一であるとまで断じているわけではないことが明らかである。
つまり、商品の『調子』や『タイプ』が同じであるといった程度の便乗広告であれば、
品質そのものに誤認を招くことはないと考えられ、
不正競争防止法で禁止された寄生的広告行為には該当しないことになります。
本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所
Author Profile
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■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。
【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団
【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など
【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。
【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」
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