弁理士の富田です。
さて、特許権などに関する侵害問題が生じたときには、権利の有効・無効や、現在の権利者などを確認するために、必ず登録原簿を確認します。今日は登録原簿の種類とその記載内容について書きたいと思います。
特許庁が管理する登録原簿には、次の4種類があります。
① 特許登録原簿
② 実用新案登録原簿
③ 意匠登録原簿
④ 商標登録原簿
登録原簿には、認証付きの原簿と、認証無しの原簿があります。
『認証付き』『認証無し』のどちらでも登録原簿の記載内容は同じですが、
第三者(例えば裁判所や契約相手など)に対して登録原簿を提示する場合には、一般的に認証付きの原簿を用います。
認証付きの原簿には、記載内容が事実と相違ないことが記載されるとともに、特許庁認証官の認証印が原簿に押印されます。
つまり、認証付きの原簿は、印鑑証明書などと同様に、公証の証明書として用いることができます。
社内での検討や確認などに用いる場合には、認証無しの原簿で足ります。
特許登録原簿(認証無し)のサンプルはこちらのとおりです。
例えば特許登録原簿には、各区分ごとに次の事実が記載されています。
① 表示部:特許権の表示や特許権の消滅などに関する事実が記載。
② 特許料記録部:特許料の納付年月日などに関する事実が記載。
③ 甲区:特許権の設定や移転などに関する事実が記載。
④ 乙区:専用実施権及びこれを目的とする質権に関する事実が記載。
⑤ 丙区:通常実施権及びこれを目的とする質権に関する事実が記載。
⑥ 丁区:特許権を目的とする質権に関する事実が記載。
なお、他の商標登録原簿などにおいても、上記と同様の内容が記載されています。
本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所
Author Profile
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■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。
【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団
【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など
【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。
【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」
【富田弁理士への問い合わせ先】
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