学生が完成させた発明について大学の職務発明規定は適用されるのか

07.28


弁理士の富田です。

近年では、対価請求をめぐる職務発明訴訟が頻発していることもあって、
知的財産に関する大学生の関心も高まってきており、
大学生が発明者となって特許出願するケースも増えつつあります。
そこで今日は、『大学の学生が完成させた発明』について、当該大学の職務発明規定は適用されるのか否かについて解説します。

発明者に対して大学の職務発明規定を適用するためには、
発明者と大学が労使関係にあること必要がありますが、

通常、大学側と学生との間に雇用契約は締結されていないため、
学生が完成させた発明の取り扱いが問題となります。

大學の学生というのは、大学側に授業料を払って、その見返りとして知識の教授を受けるものでありますから、
大学にとって学生は『顧客』に相当するものであり、『従業者』には該当しません。

そうすると、そのような学生が完成させた発明は、
特許法35条に規定される『職務発明』に該当しませんから、
大学の職務発明規定を自動的に適用することはできません。

よって、大学が、『学生が完成させた発明』について特許出願する場合には、
大学の職務発明規定の有無にかかわらず、
当該学生との間で『特許を受ける権利』についての譲渡契約等を締結する必要があります。

本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所

 

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Author Profile

富田 款国際弁理士事務所 代表弁理士
■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。

【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団

【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など

【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。

【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」

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