STAP騒動をよそに、『STAP』の商標登録申請、続々と…
弁理士の富田です。
さて、一連の騒動を受けてすっかり著名となった『STAP』ですが、
wikipediaによれば、この『STAP』とは、
Stimulus-Triggered Acquisition of Pluripotency cells(刺激惹起性多能性獲得細胞)
の略称を指します。
この著名な略称である『STAP』という名称、
実はすでに商標登録されています(商標登録第5204181号)。
その権利内容は、下記のとおりです。(全文PDFはコチラ)
なお、商標登録されているといっても、
『STAP』の名称そのものが単独で権利化されているわけではなく、
上記のとおり、エクササイズの教授などの役務に関して『STAP』の名称が商標登録されている、
という点に留意する必要があります。
もっとも、上記商標権で指定されている役務には、
「知識の教授」や「セミナーの開催」、といった広めの役務も含まれているので、
その点には注意する必要があるといえます。
それから、ついでなのですが、
一連のSTAP騒動を受けてなのか、あるいは無関係なのか、分かりませんが、
今年(2014年)の1月30日以降、『STAP』の名称を含む商標登録が続々と申請されています。
現在分かっているだけでも次のとおり。
もちろん、『理研』による申請ではありません。
1. 商願2014-006433: スタップ\STAP
2. 商願2014-006730: STAP
3. 商願2014-007260: STAPアンカー
4. 商願2014-007588: STAP
5. 商願2014-009744: STAP・iPS
6. 商願2014-009745: STAP・iPSHYBRID
7. 商願2014-011057: STAP
8. 商願2014-011519: STAP
9. 商願2014-011676: STAP・iPS・ES
申請された方にはお気の毒ですが、
『STAP』がこれだけ著名になると、少なくとも
同一名称について医療分野での登録は難しいと思われます。
本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所
Author Profile
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■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。
【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団
【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など
【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。
【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」
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