こんな単純な画面デザインも意匠登録される
弁理士の富田です。
突然ですが、下の画像、何かわかりますか?
iPhoneをお持ちの方なら分かるかと思いますが、
iPhoneの各種設定の画面で表示される『On/Offボタン』ですね。
丸いボタン部分を左右にスライドさせることで、On/Offの切り替えができる、
あのボタン画像です。
このボタン画像は、基本的に、
・スライド式のボタンである円形部分、
・それを囲う枠部分、
といった2つの部分だけで構成されています。
実に単純な形状の画面デザインであるといえます。
このような超単純形状ゆえに、
いまさら意匠登録なんてありえない、と思われる方もいるかもしれませんが、
先日、この単純形状の『On/Offボタン』の画面デザインが意匠登録されたので、
今回は、その意匠権を紹介したいと思います。
この意匠権では、『意匠に係る物品』として携帯情報端末を記載しており、
それゆえ、図面には、スマホの全体図とともに、例の『ボタン画像』が描かれています。
ただし、この意匠権において、
『On/Offボタン』の画面デザインは、
部分意匠として登録されていることに留意する必要があります。
つまり、
図面において実線で描かれた『On/Offボタン』の画像部分が、意匠登録を受けた部分であるため、
スマホ全体として非類似になるようにデザインを模倣した場合であっても、
同一または類似の『On/Offボタン』の画像を表示する場合には、原則として、この意匠権を侵害することになります。
単純形状の画面デザインであっても意匠登録される場合がある、
そのような事例の一つとして参考にしていただければ幸いです。
なお、本日紹介した部分意匠の意匠権の全文PDFはコチラから。
本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所
Author Profile
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■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。
【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団
【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など
【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。
【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」
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