シャワーを浴びながら音楽や通話を楽しめる。そんなシャワーヘッドが米国で発売された。
その名も『MUSIC JET』。
日本で販売するには特許権に抵触ないことを確認する必要がある。
弁理士の富田です。
シャワーヘッドにマイク兼用スピーカを取り付けて、
Bluetooth経由でスマホに接続し、
シャワーを浴びている間も音楽や通話を楽しめるようにする…
そんな遊び心たっぷりのシャワーヘッドが米国で販売されたそうです。
その名も『MUSIC JET』。(良い子は先取り的に商標登録しないように。)
ありそうで無かった商品。日本での早期販売を期待する人が多いそうです。
しかし、知的財産のプロの直感ですが、
日本では既に特許権が取られているような予感がします。
そこで調べてみたところ、
やっぱりありました。
特許番号:特許2765212号
発明の名称:シャワー装置
権利者:松下電器産業株式会社
この特許権の主たる内容は次のとおりです。(権利内容の全文PDFはコチラ)
【請求項1】
湯水を吐出するシャワー吐出口と、
音楽などの音を再生するスピーカ等の発音体を備え、
前記スピーカ等の発音体の主発音面を略下方に向けて構成したシャワー装置。
記載内容が簡単なので、特に説明は不要かと思いますが、
上記画像のシャワーヘッドは、この特許権に抵触する可能性が高いといえるでしょう。
しかし、幸か不幸か、
松下電器の上記特許権は平成4年に登録され、平成21年に消滅しています。
「早すぎた特許権」といったところでしょうか…
このように、スピーカー付きシャワーヘッドの特許権は、日本では既に消滅しているので、
『MUSIC JET』が日本で販売される日も近いかもしれません。
ちなみに、仮にこの松下電器の特許権が、現在、有効に存続していたとしても、
米国で販売されている『MUSIC JET』を、個人使用の目的で、個人輸入する場合には、
日本の特許権を侵害することにはなりません。
特許権の効力というのは、個人的・家庭的実施には及ばないことになっているからです。
本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所
Author Profile
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■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。
【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団
【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など
【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。
【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」
【富田弁理士への問い合わせ先】
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富田国際特許事務所
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