そのうちスマホの『イヤホンジャック』が『スピーカー』を兼ねるようになるかもしれません…
弁理士の富田です。
現在市販されているスマホには、
『イヤホンジャック』と『スピーカー』の両方が搭載されています。
今さら言うまでもないことですが、
・イヤホンジャックにイヤホンを挿し込むと、イヤホンから音が出力され、
・それ以外のときは、スピーカーの方から音が出力されます。
つまり、イヤホンジャックとスピーカーは、
物理的に分離した、別個独立のモジュールとして構成されているわけです。
これは今も昔も変わりません。
しかし、
『イヤホンジャック』と『スピーカ』を一体化させた新しいモジュールについて、
アップルが米国で特許申請したので、今日はそれを紹介したいと思います。
※ 下の画像をクリックすると、米国特許出願の全文PDFを見ることができます。
左側の画像を見ると、スマホらしきデバイスが描かれていて、
その手前左側の端面には、イヤホンジャックの差込孔(108)が描かれています。
アップルは、
このイヤホンジャック(108)をスピーカーとして利用できるようなモジュール構造について
米国で特許申請しています。
この『イヤホンジャック』『スピーカ』一体型のモジュールの具体的構造は、
上の図面の右側に描かれています。
右図に描かれているとおり、
通常のイヤホンジャックと同様に機能する差込孔(108)が設けられているほか、
スピーカーとして機能するドライバ(120)が内蔵されていて、
差込孔(108)とドライバ(120)との間には、ポート(112)が形成されています。
このモジュールの差込孔(108)にイヤホンを挿し込むと、
通常どおりイヤホンからオーディオが出力され、
差込孔(108)からイヤホンを引き抜くと、
スピーカー(120)からのオーディオが、ポート(112)を経由し、差込孔(108)から出力されるようになっています。
つまり、
スピーカーとしての機能を具備するイヤホンジャック
といったところです。
今まで無かった新しい発想に基づくモジュール。
もしかしたら、iPhone 8 の頃には、イヤホンジャックから音が出るようになるかもしれませんね。
本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所
Author Profile
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■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。
【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団
【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など
【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。
【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」
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