アップルの最新米国特許にみる近未来のiPhoneの姿
弁理士の富田です。
今回は、今年3月に米国で登録されたばかりの
アップルの最新米国特許を紹介します。
このアップルの米国特許権では、表裏の全面表示が可能な携帯端末が開示されており、
この特許権から5,6年先のiPhoneの姿を想像することができます。
(こんなのが欲しいという期待もありますが…)
特許権利者:Apple Inc.
特許登録日:2014年3月4日
発明の名称:Electronic device with wrap around display
上記のアブストラクトに目を通すと分かるのですが、
この特許発明の特徴というは、
・携帯端末の外側ケースを透明ハウジングで構成し、
・この透明ハウジングの内壁面側に、フレキシブルディスプレイを設け、
・その透明ハウジングの全面で(つまり表でも裏でも)表示できるようにしている、
といった内容になっています。(特許権の全文PDFはコチラ。)
つまり、表裏の全面表示が可能なiPhoneといったところです。
しかし、上記の内容は、特許権の内容というより、
『こういった内容の特許権がほしい』という、特許申請時点でのアップルの願望といえます。
なぜなら、本件の権利内容を分析すると、
その権利内容は、上記のアブストラクトの内容よりも若干狭いものとなっています。
つまり、この米国特許権の権利内容というのは、ざっくりと言うと、
・全面表示可能な、第1のフレキシブルディスプレイと、
・全面表示可能な、第2のフレキシブルディスプレイと、
・上記の第1・第2のディスプレイを内壁面側に具備する透明ハウジングと、
を有する家電製品、といった内容になっています。
ココで言っている「第1のディスプレイ」、「第2のディスプレイ」というのは、
下記の図に示すように、インナーディスプレイ(704)とアウターディスプレイ(702)を指しています。
このように、フレキシブルディスプレイを2枚重ねすることによって、
3D表示が可能になるなどの斬新な効果が得られるようです。
本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所
Author Profile
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■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。
【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団
【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など
【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。
【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」
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富田国際特許事務所
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