企業に課される特許権の調査義務

08.21


弁理士の富田です。

さて、特許法の規定によれば、
故意又は過失により他人の特許権を侵害した者は、損害賠償責任を負います。(特許法102条)

また、他人の特許権を侵害した者は、
その侵害の行為について『過失』があつたものと推定されることになっています。(特許法103条)

そうすると、特許権の侵害者が損害賠償責任を免れるためには、無過失を主張立証しなければなりません。

そのような無過失を立証するためには、例えば、
・特許権の存在を知らなかったことに相当の理由があったことを証明するとか、
・特許権の侵害に該当しないと信じることに相当の理由があったことを証明する、
などが必要になります。

しかしながら、現在では、このような無過失の主張は、ほとんど認められていません

つまり、『他社の特許権の存在をたまたま知らなかった』という程度の言い訳では、
特許権侵害に基づく損害賠償責任を免れることはできません。

したがって、物を製造して販売するメーカや、サービスを提供する企業には、
特許権を常に調査して侵害を回避するような注意義務が、実質的に課されているといえます。

なお、2012年ベースで確認したところ、1年間に発効される特許権は16万件を超えますから、
企業に課される特許権の調査義務・注意義務は、企業にとって大きな負担であるといえます。

本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所

 

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Author Profile

富田 款国際弁理士事務所 代表弁理士
■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ コンピュータハードウェア、ナビゲーションシステム、メカトロニクス、医療機器、内視鏡、ビジネスモデル、土木技術、掘削装置などの特許技術を担当。
■ 特許の権利化業務では、国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。

【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など

【技術分野】 機械、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。

【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」

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