『クロワッサンたい焼き』の実用新案権、その権利内容を分析してみる

05.02


『クロワッサンたい焼き』の実用新案権、その権利内容を分析してみる

弁理士の富田です。

先日の記事で『クロワッサンたい焼き』の登録実用新案を紹介しましたが、
今日は、この実用新案権の権利内容を簡単に分析してみたいと思います。

クロワッサン人形焼やクロワッサン今川焼、クロワッサンどら焼き、などなど、
似たような商品で「できればマネしたい」と思っている方が沢山いらっしゃるようですので…

 

さて、先日ご紹介したとおり、「クロワッサンたい焼き」というのは、
実用新案権 第3189666号 として既に実用新案登録されています。(登録日H26.03.05)

 

その実用新案の申請書類で描かれているクロワッサンたい焼きのイラストというのは、
下に示すような感じになっています。

 

クロワッサンたい焼きの実用新案権

 クロワッサンたい焼きの実用新案権 

 

そして、この実用新案権の権利内容(代表的部分)というのは、下に示すような内容になっています。
(権利内容を理解し易いように、箇条書き形式で表示するとともに、イラストに対応する符号を書き足しました。)

 

【請求項1】

構成a:
内部にアン(13)を有する立体的形状部(1a)と、
この立体的形状部(1a)の周囲に広がるように形成された面状突出部(1b)と
を有する型焼き菓子であって、

構成b:
周縁部が前記面状突出部(1b)の周縁部を構成する
所定の広がりを有する主皮部(11)と、

構成c:
周縁部が前記主皮部(11)の片方の面に付着された状態で
当該主皮部(11)との間に前記アン(13)の挿入を可能にする
所定の広がりを有する副皮部(12)と

を有してなり、

構成d:
前記主皮部(11)及び前記副皮部(12)は、
パイ生地、デニッシュ生地又はクロワッサン生地で形成されており、

構成e:
前記立体的形状部(1a)は、
前記主皮部(11)及び前記副皮部(12)における前記アン(13)を有する部分が
所定の立体的形状に成形された状態で焼き上げられることにより形成され、

構成f:
前記面状突出部(1b)は、
前記主皮部(11)及び前記副皮部(12)における前記立体的形状部(1a)の周囲に広がる部分が面状に圧迫されるようにして焼き上げられることにより形成されている

ことを特徴とする型焼き菓子。

 

この実用新案権の権利内容というのは、
上記構成a~fで構成される型焼き菓子(クロワッサンたい焼き)となっています。
つまり、構成a~fをすべて具備する焼き菓子を製造販売すると、原則として、実用新案権に抵触することになります。

 

知的財産の取り扱いに不慣れな方にとっては、たいへん読み難い内容となっていますので、
この権利の代表的な特徴部分をまとめると、以下のような感じになります。

 

■ 権利内容は、あくまでも『焼き菓子』に関するものなので、その形状は必ずしも『たい焼き』に限定されず、他の形状にも権利が及ぶ。

■ 中身のアンは、必ずしも『あんこ』に限定されず、他の材料を含むものであっても権利が及ぶ。

■ 上下のシート状生地のどちらか一方が『パイ生地、デニッシュ生地又はクロワッサン生地』で構成されていれば、権利が及ぶ。

■ 面状突出部(一般的に羽根や耳などと称される部分)を具備することが条件なので、そのような羽根部分を一切具備しない場合には、権利に抵触しない可能性がある。

 

ですから、人形焼や今川焼、どら焼き、パンダ焼きなど、
似たような焼き菓子で「クロワッサン」を取り入れようと考えている方は、
それなりの注意が必要だといえそうです。

 

なお、この『クロワッサンたい焼き』というのは、
クロワッサン生地という特徴のほかに、
独特の食感を生み出すための「ザラメ」が、焼き菓子の表面に塗られているといった特徴をもっています。
この特徴についても、この実用新案権の請求項4(下記)で明記されていることに注意する必要があります。

 

【請求項4】
前記立体的形状部(1a)及び前記面状突出部(1b)には、
当該面状突出部の一方及び他方の各面にそれぞれ対応する一方及び他方の各表面のうち、
少なくとも一方の表面に全体的に水分の浸透を抑制するコーティング層が形成されている
ことを特徴とする請求項1~3の何れかに記載の型焼き菓子。

 

本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所

 

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Author Profile

富田 款国際弁理士事務所 代表弁理士
■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ コンピュータハードウェア、ナビゲーションシステム、メカトロニクス、医療機器、内視鏡、ビジネスモデル、土木技術、掘削装置などの特許技術を担当。
■ 特許の権利化業務では、国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。

【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など

【技術分野】 機械、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。

【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」

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