3Dプリンターを使ったアパレル商品の製造技術、NIKEが特許申請

3Dプリンターを使ったアパレル商品の製造技術、NIKEが特許申請。
アパレルメーカーにとって脅威となるのか…。

 

弁理士の富田です。

3Dプリンター。
もはや説明はいらないと思います。
近年普及が進み、最近では子供用の3Dプリンターまで販売されているので…。

 

さて、この『3Dプリンター』、一般的には、
樹脂製品などの比較的固い部品などの製造に用いられるといったイメージがありますが、

今年になって、スポーツ関連商品を扱う米国のNIKE社が
3Dプリンターを用いたアパレル商品の製造方法」について特許申請していることが
明らかになりました。

 

NIKE社の米国特許出願

 NIKE社の米国特許出願 

 

『3Dプリンター』と『アパレル商品』、
一見、結びつかないようにも思える両者ですが、

上記のNIKE社の米国特許出願によれば、
スポーツシューズなどのアパレル商品の製造に3Dプリンターを利用する、
といった基本技術について特許権の取得を目指しているものと思われます。

 

上の画像に示す事例でいえば、
スポーツシューズの製造にあたって、その布地の上に
樹脂材料などをワイヤーフレーム状に成形するようになっています(右側の図面の符号70)。

3Dプリントに使う材料としては、
樹脂やインクのほかアクリルなど、様々な材料を想定しているようです。

 

そして、その肝心の特許申請の内容ですが、

・アパレル商品(スポーツシューズなど)に対して直接的に3Dプリントする方法であって、
・アパレル商品に3Dプリントするための『3Dパターン』をデザインし、
・アパレル商品の少なくとも一部を、3Dプリントシステムのトレーに位置決めし、
・デザインした前記3Dパターンに基づいて、アパレル商品上に直接的に3Dプリントを行い、
・アパレル商品上に3Dプリントされた材料を硬化させ、
・最後に3Dプリントシステムからアパレル商品を取り出す。

といったような内容になっています。

 

つまり、アパレル商品の製造工程の一部で3Dプリンターを利用する、
といったアイデアの特許申請であるといえます。

 

申請内容としては、比較的広い基本技術に属すものと考えられますので、
このまま権利化された場合に、スポーツ用品等を扱う他のアパレルメーカーにとって脅威となるのかどうか、
気になるところです。

 

なお、本日紹介したNIKEの米国特許申請の全文PDFはコチラから。

 

本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所

 

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Author Profile

富田 款国際弁理士事務所 代表弁理士
■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。

【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団

【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など

【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。

【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」

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〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-16-9 双葉ビル5F
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