アメリカン・コミック風の特許図面(スーツケース型スクーター)、分かりやすいけど…
弁理士の富田です。
特許図面。
構造に特徴のあるアイデアの特許申請では、
これをどう描くかということは、アイデアを権利化に導く上で非常に重要なことです。
この特許図面、
最近では、そのほとんどがCADソフト(パソコン)を使って描かれているようですが、
一昔前までは、職人的な人たちが、トレーシングペーパーなどに一枚一枚、手作業で描いていました。
CADソフトで描いた図面と、職人さんが手作業で描いた図面を比較すると、
装置の内部構造を描いた平面図などは、
一般的にCADソフトで描いた図面の方が正確で、分かりやすいと思われます。
一方、人間が登場するような斜視図(例えば装置の使い方などを描いた図)などは、
職人さんによって漫画的に描かれた図面の方が、圧倒的に分かり易いように思われます。
先日、米国特許を調査していたら、
今となっては滅多にお目にかかることができない、アメリカン・コミック風のタッチで描かれた特許図面を見つけたので、
今日はそれを紹介したいと思います。
この特許権、1967年に米国で権利化されたものですが、
非常に分かりやすいですね。
明らかに職人さんのような方が手作業で描いた図面です。
装置の使い方がリアルに描かれていて、
特に説明するまでもなく
どういった特徴を持った発明なのか、一目瞭然で分かります。
ビジネスマンなどが使用するスーツケースに、スクーターのような機能を持たせ、
緊急時には、スーツケースをスクーターにトランスフォームさせて、目的地まで移動する、
といったようなアイデアです。
この特許図面のように、
「人間が装置を使っている様子を斜視図で描く」といったような場合には、
装置の内容によっては、職人さんに手作業で描いて貰うのがよさそうです。
(ここまでリアルに描ける人はいないでしょうが…)
なお、今回紹介した『スーツケース型スクーター』ですが、
実生活で使うのは難しいかもしれません。
かなり恥ずかしそうな乗り物なので…。
最後に、本日紹介した米国特許権の全文PDFはコチラから。
本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所
Author Profile
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■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。
【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団
【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など
【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。
【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」
【富田弁理士への問い合わせ先】
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-16-9 双葉ビル5F
富田国際特許事務所
TEL:03-6205-4272 FAX: 03-3508-2095
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