弁理士の富田です。
先日、来月の9月にアップル・コンピュータの新製品(iPhoneなど)が発表されるとの記事を見ました。
毎年この時期に行われる、アップル恒例の行事ですが、iPhoneファンやiPadファンにとっては、まさにお祭り騒ぎです。
なぜ、これほどアップル・コンピュータの製品は人々を惹きつけるのでしょうか。
そこには、やはり徹底的に洗練された、シンプルで完璧なデザインが影響していると考えられます。
また、スティーブ・ジョブズも次のような名言を残しています。
多くの人にとってデザインという単語が意味するのはほんの表面のことにすぎない。
カーテンやソファの生地のようなもの。
私にとって、デザインよりも深い意味を持つ言葉はない。
製品やサービスの層を上手く表現する、
人間の創造のコアの部分、魂、そういう意味なんだ。
圧倒的に美しくて人々を惹きつけるデザインは、消費者の感情を刺激します。
人々は理屈ではなく『感情』で購入するので、圧倒的に美しくて人々を惹きつけるデザインであれば、市場で優位に立てるのです。
このようなプロダクト・デザインを法的に保護する制度として、我が国には『意匠制度』があります。
斬新なプロダクト・デザインを意匠登録して意匠権を与えることで、そのデザインについての模倣を防止し市場での独占を認める制度です。
しかしながら我が国では、プロダクト・デザインの保護に対する意識が低いこともあり、
意匠制度の活用があまり進んでいないといえます。
例えば、2012年ベースで、
特許権の登録件数が、約26万件だったのに対して、
意匠権の登録件数が、約2万8千件という状況です。
20世紀では、優れた機能を持っているという理由だけで物が売れましたが、
21世紀では、デジタル化が進んで機能面に差が出なくなったため、機能だけでは物は売れない時代になりました。
つまり、優れたデザイン・洗練されたデザインが、消費者を魅了し、売上を大きく左右します。
この機会に、意匠制度を利用したプロダクト・デザインの法的保護について検討されてみてはいかがでしょうか。
本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所
Author Profile
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■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。
【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団
【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など
【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。
【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」
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