映画『2001年宇宙の旅』に登場するタブレット端末


(Youtube「septemberX」の投稿より)

弁理士の富田です。
この動画は、1968年公開、スタンリー・キューブリック監督の名作映画『2001年宇宙の旅』のワンシーンです。
私が生まれる前の映画ですが、洋画好きだった父の影響もあって、わたしも幼少の頃から何度もテレビで見ました。

上の動画を見ていただくと分かるのですが、
この映画には、動画を表示可能な『タブレット端末』らしきデバイスが登場します。

宇宙飛行士が、食事をしながらタブレット端末らしきもので動画を見ています。
このシーンは、米国におけるアップルvs.サムスンの知財訴訟において、
アップルのiPadに関するデザインパテント(いわゆる意匠権)の無効を証明する証拠として引用されたことがありました。

ギャラクシータブレットを製造販売しているサムスン側が、
 映画監督スタンリー・キューブリックが、40年以上も前にiPadのデザインに類似する端末を創作し、
  1968年公開の映画の中で使って一般公衆に公開していたので、アップルのデザインパテント(意匠権)の独創性は認められない、
と主張したのです。

しかし、この映画に登場するタブレット端末は、外観の細部が鮮明に現れておらず、
iPadとの外観の比較が難しいので、証拠しての採用は難しと思われます。

裁判ではサムスン側の主張は認められませんでしたが、このニュースを通じて
巨匠スタンリー・キューブリックの先見性や偉大さをあらためて感じることができました。
まともなデスクトップ・コンピュータも無かった時代に、タブレット端末で動画を見ることを思いついたことは、まさに驚きです。

なお、『相手の権利を潰せる可能性のある証拠を探し出す』ことは、知財訴訟の勝敗につながる極めて重要な作業となります。
弊所でも、侵害訴訟や無効審判が始まることになれば、当然のことながら、昼夜を問わず国内外の文献を調査し、
ときには、古本屋や図書館などに行って技術文献を探し回ることもあります。

本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所

 

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Author Profile

富田 款国際弁理士事務所 代表弁理士
■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。

【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団

【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など

【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。

【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」

【富田弁理士への問い合わせ先】
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-16-9 双葉ビル5F
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TEL:03-6205-4272     FAX: 03-3508-2095
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