商品の購入確定前に発送開始するAmazonのビジネスモデル
弁理士の富田です。
今日は、少し前に話題になった
米国Amazonの最新ビジネスモデル特許を紹介したいと思います。
その概要は下の画像に示すとおりです。(権利内容の全文PDFはコチラ。)
権利者:Amazon Technologies, Inc.
特許登録日:2013年12月24日
この権利内容を一言でいうならば、
商品オーダーの確定前に、その商品を出荷してしまう、
といった内容になっています。
つまり、商品の届け先(購入者)がまだ確定していないのに、
その商品の『予測出荷』を開始してしまうわけです。
どうしてそのような『予測出荷』が可能になるのか。
権利内容を分析すると、
おおむね次のような特徴に基づいて
商品の出荷を予測する仕組みになっていることが分かります。
・一定の変数に基づいて出荷可能性を判断して、配達可能性のある宛先を複数ピックアップし、
・オーダー確定前に、その配達可能性のある複数の宛先をカバーするエリアに向けて、商品を集荷してしまう。
つまり、
・前回までの購入履歴や、
・予測出荷した場合の商品返送や行先変更に関するリスクなど、
様々なデータ(変数)に基づいて、近日中にオーダーが予測されるエリアを決定し、
出荷した後にオーダー確定した宛先(上記エリア内の宛先)に届けるようになっています。
したがって例えば、同様の商品を購入する消費者が多数所在するエリアには、
オーダーがまだ未確定の状態であっても、
そのエリアに向けて商品が出荷されることになると考えられます。
なお、噂によれば、
商品をカートに入れた時点(オーダーの未確定状態)で、
Amazonの物流拠点側での出荷準備が始まっているとのことです。
もちろん、商品の箱詰めなどの作業はすべてロボットが全自動で行います。
このような早期出荷に関するビジネスモデル特許がすでに申請されているかもしれません。
本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所
Author Profile
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■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。
【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団
【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など
【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。
【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」
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