マリンスポーツのシーズン到来間近、刺激的なマリンスポーツ『ジェット・レブ・フライヤー』の特許を分析してみる
弁理士の富田です。
『ジェット・レブ・フライヤー(Jetlev-Flyer)』というマリンスポーツをご存知ですか?
『ウェオーター・ジェットパック』などと呼ばれたりもします。
ご存知ない方はまずはコチラのYoutube動画をご覧ください。
近年では真夏になると、必ずと言っていいほど、
この種のウォーター・ジェットパック(個人用の空中移動装置)がメディアに取り上げられます。
そこで今日は、『ジェット・レブ・フライヤー』の特許を紹介するとともに、
その権利内容を分析してみたいと思います。
この『ジェット・レブ・フライヤー』というのは、
2011年に米国で取得された下記の特許技術(米国特許7900867号)を使っています。
人間が推進装置を背負って飛行するという点では、
従来の可燃性燃料を使用するジェットパックと同様の構成ですが、
この米国特許では、ジェット推進手段として、『水』を利用する点が大きく異なります。
この米国特許の具体的な権利内容ですが、
・可変ノズル(44)(46)を具備するボディーユニット(12)と、
・可変ノズル(44)(46)に通ずる流路(16)と、
・流路(16)に通ずるベースユニット(14)と、
・を有する個人用の空中移動装置の操作方法であって、
・ベースユニット(14)をウォーター側に配置し、
・可変ノズル(44)(46)に加圧ウォーターを圧送して、ボディーユニット(12)がフライトするように持ち上げる方法、
といった感じの権利内容になっています。
つまり、推進装置を人間が背負い、海水圧送装置を水面側に配置し、
この両者を耐圧ホースなどの流路でつなぐ、といった内容です。
権利内容としては、比較的広いものであり、
同様のマリンスポーツを米国で開発製造する場合には、
それなりの注意が必要であるといえるでしょう。
なお、この特許技術が登場する前のジェットパック(個人用の空中移動装置)というのは、
通常、可燃性の燃料が入った「タンク」と「推進装置」を人間が背負うことを前提としたものであり、
操縦が難しくて、極めて危険な飛行装置でしたが、
『ジェット・レブ・フライヤー』は、
燃料タンクを背負う必要がなく、しかも、水面上を低空飛行することを前提としているので、
従来のジェットパックより遥かに危険性が低くなっています。
本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所
Author Profile
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■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。
【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団
【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など
【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。
【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」
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