弁理士の富田です。
さて、以前、『香水アプリ』に関する記事について書きましたが(その1、その2)、
今日はNTTdocomoによる『香り付きメッセージ』に関する特許出願を紹介します。
この特許出願で申請されているアイデアは、
一方のユーザ(送信者)が、他のユーザ(受信者)との間で『香り』を用いたコミュニケーションを行うといったものです。
送信者は、香りデータを添付したメッセージをスマホなどで作成し、これを相手側の端末に送信するようになっています。
今までの通信手段でやり取りするメッセージは、
声、文字、画像といった、目や耳で識別可能なものに限定されていましたが、
近い将来、これに、鼻で識別する「香り」を付け加えることができるようになります。
画期的なアイデアです。
興味深いのは、
化粧品や食品を販売する会社が、新商品などの宣伝目的で、
当該商品の香りを体験可能な香り放出装置(スマホなどに接続可能なもの)を無料配布する、
といった販促ビジネスまで想定されている点です。
実際、特許出願の内容を読んでみると、この出願には、ビジネスモデル特許に関するアイデアが多く盛り込まれているといえます。
問題は、肝心要の香りを放出させる装置ですが、
その具体例として、スマホのカバーに内蔵させたり、或いは、
ストラップにその機能を内蔵させることが記載されいます。
そこまで小型化できれば広く普及し、スマホ用の香りに関する新たなビジネスが登場することでしょう。
香りに関するアプリやビジネスモデルについて特許を取得し、先行者利益を確保するなら、参入者の少ない今がチャンスと言えるかもしれません。
本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所
Author Profile
-
■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。
【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団
【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など
【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。
【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」
【富田弁理士への問い合わせ先】
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-16-9 双葉ビル5F
富田国際特許事務所
TEL:03-6205-4272 FAX: 03-3508-2095
※ 富田弁理士へのEMAILはコチラのメールフォームよりお願いいたします。
最近投稿した記事
- 2024-03-08特許「学習済みモデル」について特許申請する場合に留意すべき明確性要件
- 2024-03-07弁理士 富田款AI技術関連の特許出願におけるサポート要件の理解
- 2024-03-06特許AI技術を活用したレーザ加工装置の特許事例について
- 2024-03-01商標「デコピンくん」商標出願の波紋