『ライトニングコネクタ』の意匠権にみるアップルの本気度
弁理士の富田です。
さて、突然ですが、
下の画像は、ある意匠権のデザインを表していますが、
このデザインが何か分かりますか?
そうです、『ライトニングコネクタ』です。
iPhoneやiPadをお持ちの方ならわかると思いますが、
スマホやタブレット端末の充電や、PCとの同期に使うコネクタです。
従来のコネクタに比べて抜き差しが容易なって使い易くて好評です。
ところで、上の画像は、たしかにライトニングコネクタを表していますが、
この画像に関する意匠権は、『コネクタ』のデザインに関するものではありません。
実は、上記の画像は、『広告紙』に関するデザインの意匠権です。
(意匠権の全文PDFはコチラ)
そうです。上の画像に示すものは、法律上は、コネクタのデザインではなく、
広告紙に関するデザインとなっています。
ちなみに、ライトニングコネクタそのものの意匠権については、
アップルが、別途、権利を取得しています。(関連記事はコチラ)
ということは、
アップルに無断で、ライトニングコネクタそのものを製造販売するのは違法ですし、
そのコネクタの画像を広告紙に掲載したり、その広告紙を頒布するといった行為も、違法となるわけです。
コネクタに関するデザインを『広告紙』のデザインとして意匠権を取得する。
なかなか目にしないケースです。
ライトニングコネクタの実質的独占を狙うアップルの本気度が分かる意匠権といえます。
本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所
Author Profile
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■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。
【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団
【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など
【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。
【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」
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