どうする? ウェアラブル端末でのテキストデータの入力。 Samsungが出した答えは…
弁理士の富田です。
さて、前回の記事では、
ハートのジェスチャーを利用して、グーグル・グラスにお気に入り画像を登録する、
といった内容の米国特許を紹介しました。
しかし、このジェスチャーを利用した特許技術では、
画像登録などの簡単な操作はできますが、
テキストデータの入力といった複雑なインプット操作を行うことができません。
このような問題を解決するために考え出されたのが、
今回紹介するARキーボードに関するSamsungの特許技術です。
下の画像に示す国際特許出願の公開公報は、
Samsungによって申請されたものです。
今年になって公開されたこの国際特許出願は、
ギャラクシーグラスなどのウェアラブル端末を装着した状態での
テキストデータの入力に関するものです。
具体的には、
・ウェアラブル端末に内蔵のカメラで、装着者の『手』を認識し、
・指の関節ごとにキーを割り当て、
・その関節部分の画像変化を認識することで、その関節部分に該当するキーを入力する、
といった内容になっています。
また、AR技術が利用されているため、
端末装着者が自分の手を見たときに、
各関節部分にキーが合成表示されるようになっています。
具体的なキーの入力方法としては、
下の画像に示すように、親指を使って、他の指の関節を押し込んだときに、
その押し込みによる関節部分の形状変化をカメラが認識し、
それによって当該関節に該当するキー入力が行われるようになっています。
なかなか賢い入力方法ですが、この分野の特許出願は、これからもどんどん増えそうです。
そうのうち、頭で考えただけで入力できるようになるかもしれませんね。
本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所
Author Profile
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■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。
【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団
【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など
【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。
【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」
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