世界に誇る日本の名車『スーパーカブ』、そのデザイナーは…
弁理士の富田です。
先日の報道で、
HONDAの小型バイク『スーパーカブ』が、
立体商標として権利登録されたとのニュースを目にしました。
そこで、『スーパーカブ』の立体商標の登録の経緯を紹介・・・と思ったのですが、その前に、
今日は、『スーパーカブ』の意匠権の方を紹介したいと思います。
この『スーパーカブ』、
HONDAが発売開始したのが昭和33年で、
それと同じ時期に意匠登録も申請していました。
その概要は以下のとおり。
上の画像を見ていただくと分かるとおり、
この意匠権の考案者は、
本田技研工業の創業者である『本田宗一郎』さんであることが分かります。
優れた経営者であるとともに技術者でもあった本田宗一郎さんですが、
まさか、あの名車『スーパーカブ』をデザインしたとは知りませんでした。
さて、この意匠権(意匠登録第146113号)、
昭和33年に申請され、翌年の昭和34に登録意匠として権利化されました。
しかし、今も昔も意匠権は更新することができず、登録から一定期間の経過後に消滅するため、
このスーパーカブの意匠権は、今から何十年も前に既に消滅しています。
(旧法では登録から15年の存続期間、現行法では20年の存続期間)
一方、商標権の場合は10年単位で更新することにができるため、
権利を半永久的に存続させることが可能です。
HONDAとしては、
世界の名車と呼ばれるまでに成長した『スーパーカブ』の外観を、半永久的に保護すべく、
立体商標の申請に踏み切ったものと考えられます。
チャレンジングな申請だったと思いますが、見事に立体商標の権利を勝ち取ることができました。
スーパーカブの立体商標と、その登録に至るまでの経緯、
非常に興味があるので、時間があるときにまた紹介したいと思います。
なお、本日紹介した米国特許出願の全文PDFはコチラから。
本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所
Author Profile
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■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。
【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団
【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など
【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。
【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」
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