特許権を取得しても自己の発明を実施できないとき

08.19


弁理士の富田です。

特許権を取得した場合でも、
自己の特許発明を自由に実施できないときがあります。

例えば、

・先に特許申請した甲が
『A,Bの特徴を具備する携帯電話X』について特許権を取得し、

・後に特許申請した乙が
『A,B,の特徴を具備する携帯電話Y』について特許権を取得した場合

などがこれに該当します。

このような場合、後出しの権利者である乙は、
特許権者であるにもかかわらず、甲の許諾なしでは、自己の携帯電話Yを自由に製造することができません。
乙が携帯電話Yを製造すれば、甲の『A,Bの特徴を具備する携帯電話X』を実施することになるからです。

特許権者であれば、自己の特許製品を“常に”自由に製造できると勘違いされている方がいますが、
自己の特許発明が、他人が先に取得した特許権の権利内容をそっくりそのまま包含しているときは、
特許権者といえども、自己の特許発明の実施が制限されます。

特許権侵害訴訟の当事者の双方がいずれも『特許権者』である場合、
なぜ特許権を持っているのに自由に実施できないのか?』といった疑問が侵害被疑者側から寄せられることがあるので、
今日はその点について解説させていただきました。

本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所

 

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Author Profile

富田 款国際弁理士事務所 代表弁理士
■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ コンピュータハードウェア、ナビゲーションシステム、メカトロニクス、医療機器、内視鏡、ビジネスモデル、土木技術、掘削装置などの特許技術を担当。
■ 特許の権利化業務では、国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。

【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など

【技術分野】 機械、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。

【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」

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