『寄せ集めの発明』について特許を受けるために留意すべき事項

09.02


弁理士の富田です。
長年にわたって特許業務に携わっていると、
『寄せ集めの発明』について特許相談を受けることがよくあります。

『寄せ集めの発明』とは、例えば、
従来技術の装置A”と”従来技術の装置B”を単に寄せ集めて構成される『装置X』、のようなものです。
つまり、発明の構成に斬新な要素が一切含まれていない、単なる寄せ集めの発明です。

装置Xで達成される効果が、
装置Aの効果と装置Bの効果の単なる寄せ集めに過ぎず、
予測を超えるほどの格別な効果(目新しい効果)を達成できるとはいえない場合、
このような『寄せ集めの発明』は通常特許を受けることができません。

しかし、一見すると『単なる寄せ集め』のように見える発明であっても、
特許申請書類に記載する『効果』の内容次第で、特許を受けることができる場合があります。

つまり、こじつけでもいい、大袈裟でもいい、(ただしウソはいけません)
とにかく、技術者の予測を超えるほどの格別な効果(目新しい効果)を見つけ出して原稿に書きだすこと。
新しいアイデアであれば、何らかの新しい効果はあるはずです。
この『効果』が特許になるか否かを決定づけるといっても過言ではありません。

特許庁の審査官は(ほとんどの場合)現場を知りませんから、
依頼人が『たいしたことない効果』と思っていても、切り口を変えて説明することで、
『格別な効果(目新しい効果)』としてアピールできる場合があります。

特許の審査では、発明の『構成』と同じくらい『斬新な効果』が重視されることに留意しましょう。

本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所

 

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Author Profile

富田 款国際弁理士事務所 代表弁理士
■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。

【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団

【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など

【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。

【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」

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〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-16-9 双葉ビル5F
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