土木分野の特許出願において留意すべき事項

09.20


 

弁理士の富田です。
一般的に中小企業に多く見られることですが、土木分野の特許申請は、
試験施工や実際の施工などにおいてその有効性が確認された後に、特許事務所に依頼されることが多いといえます。
『実施してみて効果が実証されたから特許を申請して権利を確保したい』と多くの方が思うからです。

しかし、この試験施工や実施工というのは、
通常、守秘義務の無い一般公衆が知りうる状況下(つまり屋外)で実施されることが多いため、
施工後の特許申請の時点では、その発明は、すでに新規性を失っていることになります。

言うまでもないことですが、
特許の申請時点において当該発明が『新規性』を失っている場合(すなわち守秘義務のない第三者がその発明を知っている場合)には、
その発明について特許権を取得することができません。
仮に特許権を取得することができたとしても、無効理由を有するので、実質的に無価値となります。

この点について、『どうせバレないから大丈夫』と思っている中小企業の方も多いはずです。
しかし、インターネットが普及した現代社会では、どのような仕様や条件で施工が実施されたか、容易に分かるようになっています。

取得した特許権が、将来、無価値にならないようにするためにも、
特許事務所に特許申請を依頼する際には、『試験施工などで既に実施した』という事実を、はっきりと弁理士に伝えるようにしましょう。
『新規性喪失の例外』という手続きを行えば、特許申請の前に試験施工などを行っていても、特許庁はその事実を無かったものとして取り扱ってくれます。

本日もお読みいただいて有難うございました。(次回に続く…)
虎ノ門 富田国際特許事務所

 

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Author Profile

富田 款国際弁理士事務所 代表弁理士
■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ コンピュータハードウェア、ナビゲーションシステム、メカトロニクス、医療機器、内視鏡、ビジネスモデル、土木技術、掘削装置などの特許技術を担当。
■ 特許の権利化業務では、国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。

【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など

【技術分野】 機械、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。

【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」

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