色々な香りを楽しめる香水アプリ。特許取得できるのか。(その1)

11.05


 

弁理士の富田です。

先日見たインターネット上の記事で、「色々な香りを楽しむことができる香水アプリがほしい」といった意見を目にしました。
香水アプリ。かなりおもしろいと思います。
アイデアと言えるほどまで具体化されてはいないですが、その着想が斬新です。

もしこれを実現するとすれば、おそらく、
・インクジェットプリンタで使っているようなカートリッジを小型化して様々な香りの香料を入れる。
・この超小型カートリッジをスマホに装着する。
・そして、スマホにインストールしたアプリを使った『香りの選択操作』に基づいて、スマホが数種類の香料を調合する。
・好みに応じた香りをスマホから放出させる。
・アプリやカートリッジを変えることで、色々な香りを楽しむことができる。
特徴を挙げるとこんな感じでしょうか。

カートリッジの大きさによるでしょうが、
仮に実用化されれば(わたし個人の予想としては)若い人を中心に広く普及するように思われます。

では、このような香水アプリについて特許を取得できるのか。
個人的に気になったので先行する特許出願を簡単に調べてみたところ、類似技術を発見。

発見した類似技術に関する特許申請内容(主たる申請内容)は次のとおりです。
特許出願番号は特願2012-9566、発明の名称は「香料調製装置」、出願人は兵神装備株式会社。
下記は当該出願の公開公報からの引用です。

 

================== 引用ココから ==================

特許出願「香料調製装置」

特許出願「香料調製装置」

【請求項1】
香りの異なる複数種の調製用素材を所定の調製比率に則って調製することにより所望の香りを有する香料を調製可能な香料調製装置であって、
前記調製用素材の種類毎に設けられた材料吐出用ポンプと、
前記調製用素材の調製比率を設定可能な調製比率設定手段と、
前記調製比率設定手段に設定された調製比率に則って前記各材料吐出用ポンプにおける前記調製用素材の吐出量を制御する吐出量制御手段とを備えていることを特徴とする香料調製装置。

【請求項13】
通信ネットワークを介して外部機器との情報通信を実施可能なネットワーク接続手段を有し、
前記ネットワーク接続手段を介して接続されたサーバから調製比率に関するデータを受信し、当該データに基づき、前記吐出量制御手段により前記調製用素材の吐出量を制御可能であることを特徴とする請求項1~12のいずれかに記載の香料調製装置。

================== 引用ココまで ==================

 

上記の請求項1に記載の「香料調製装置」は、スマホなどの携帯型情報端末を含み得る概念であると解釈できます。
また、請求項13には、アプリに相当するデータに基づいて香りをコントロールすることが記載されています。
つまり、アプリを使ってスマホから好きな香りを放出させるといった概念に似たものが、上記の「香料調製装置」の申請内容に開示されているといえます。

したがって、仮に、前述したような香水アプリを新規に特許申請した場合、
すでに特許申請されている上記の「香料調製装置」により発明の進歩性を否定する拒絶理由が指摘される可能性があり、
特許を受けるためにはそれなりの反論や工夫などが必要となるでしょう。

なお、発見された「香料調製装置」の方には、少々残念な部分があります。
続きは次回に解説したいと思います。

 

本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所

 

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Author Profile

富田 款国際弁理士事務所 代表弁理士
■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ コンピュータハードウェア、ナビゲーションシステム、メカトロニクス、医療機器、内視鏡、ビジネスモデル、土木技術、掘削装置などの特許技術を担当。
■ 特許の権利化業務では、国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。

【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など

【技術分野】 機械、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。

【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」

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