ビジネスモデル特許、その特許申請前について知っておくべきこと

01.28


ビジネスモデル特許、その特許申請前について知っておくべきこと。
特許の対象になるアイデアと、特許の対象にならないアイデア。

 

弁理士の富田です。

ビジネスモデル特許として申請されるアイデアには、
・特許の保護対象である『発明』に該当するもの、
・特許の保護対象である『発明』に該当しないもの、
があります。

 

残念ながら、
ビジネスモデル特許として申請される多くの特許出願は、
後者の理由(発明に該当しないという理由)で拒絶処分を受けています。

 

このような状況に鑑み、特許庁では、
・特許の保護対象である『発明』に該当するもの、
・特許の保護対象である『発明』に該当しないもの、
の具体例をいくつか公開しています。

 

今日はそのなかでも、代表的なものを3つ紹介したいと思います。
(以下、特許庁審査基準より引用)

 

1.特許の保護対象である『発明』に該当しないもの(その1)

 

【請求項1】
テレホンショッピングで商品を購入した金額に応じてポイントを与えるサービス方法において、
・贈与するポイントの量と贈答先の名前が電話を介して通知されるステップ、
・贈答先の名前に基づいて顧客リスト記憶手段に記憶された贈答先の電話番号を取得するステップ、
・前記ポイントの量を、顧客リスト記憶手段に記憶された贈答先のポイントに加算するステップ、及び
・サービスポイントが贈与されたことを贈答先の電話番号を用いて電話にて贈答先に通知するステップ
とからなるサービス方法。

 

★特許庁解説★
上記請求項1の発明は、
「電話」、「顧客リスト記憶手段」という手段を使用するものであるが、

この発明は全体としてみればこれら手段を道具として用いる人為的取決めそのものであって、
「自然法則を利用していないもの」に該当する。
したがって、【請求項1】に係る発明は、「発明」には該当しない

 

 

2.特許の保護対象である『発明』に該当しないもの(その2)

 

【請求項2】
インターネット上の店で商品を購入した金額に応じてポイントを与えるサービス方法において、
・贈与するポイントの量と贈答先の名前がインターネットを介して通知されるステップ、
・贈答先の名前に基づいて顧客リスト記憶手段に記憶された贈答先の電子メールアドレスを取得するステップ、
・前記ポイントの量を、顧客リスト記憶手段に記憶された贈答先のポイントに加算するステップ、及び
・サービスポイントが贈与されたことを贈答先の電子メールアドレスを用いて電子メールにて贈答先に通知するステップ
とからなるサービス方法。

 

★特許庁解説★
上記請求項2の発明は、
「インターネット」、「顧客リスト記憶手段」、「電子メール」といった手段を使用するものであるが、

この発明は全体としてみればこれら手段を道具として用いる人為的取決めそのものであって、
「自然法則を利用していないもの」に該当する。
したがって、【請求項2】に係る発明は、「発明」には該当しない

 

 

3.特許の保護対象である『発明』に該当するもの

 

【請求項3】
インターネット上の店で商品を購入した金額に応じてポイントを与えるサービス方法において、
・贈与するポイントの量と贈答先の名前がインターネットを介してサーバーに入力されるステップ、
・サーバーが、贈答先の名前に基づいて顧客リスト記憶手段に記憶された贈答先の電子メールアドレスを取得するステップ、
・サーバーが、前記ポイントの量を、顧客リスト記憶手段に記憶された贈答先のポイントに加算するステップ、及び
・サーバーが、サービスポイントが贈与されたことを贈答先の電子メールアドレスを用いて電子メールにて贈答先に通知するステップ
とからなるサービス方法。

 

★特許庁解説★
【請求項3】に係る発明は、
サーバーによって実行されるステップであるから、
ソフトウエアによる情報処理を行うものであるといえる。

また、【請求項3】に係る発明は、
サーバーが「顧客リスト記憶手段」を検索して贈答先の電子メールアドレスを取得すると共に、
「顧客リスト記憶手段」に記憶されている贈答先のポイントに加算し、
取得した贈答先の電子メールアドレスに対して通知を行うという処理を、
ハードウエア資源であるコンピュータを用いて具体的に実現した情報処理システムの動作方法であるから、
この発明は「ソフトウエアによる情報処理がハードウエア資源を用いて具体的に実現されたもの」であるといえる。
したがって、【請求項3】に係る発明は「発明」に該当する

 

 

以上のとおりでありますから、
ビジネス方法について特許申請する場合には、
『人為的取り決め』の観点から特許を申請するのではなく、
そのビジネスに用いる『情報処理システムの動作』や『ソフトウェアによる情報処理』の視点で
ビジネスアイデアの特徴を表現すべきといえます。

 

本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所

 

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Author Profile

富田 款国際弁理士事務所 代表弁理士
■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。

【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団

【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など

【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。

【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」

【富田弁理士への問い合わせ先】
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-16-9 双葉ビル5F
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