LINE vs. カカオトーク  ~通訳機能の特許権を巡る争奪戦~

02.09


LINEとカカオトークが繰り広げる、通訳機能の特許権を巡る争奪戦。

弁理士の富田です。

 

さて、登録ユーザ数が3億人を超えるチャットアプリ『LINE』が一般的に知られていますが、
それに対して、急激な追い上げを見せているアプリが『カカオトーク』です。

 

日本国内でのユーザ数は、現在のところ、LINEが圧倒的多数を占めますが、
両者は、スマホアプリに関する特許権を巡って争奪戦を繰り広げています。
その代表例ともいえるのが、チャットアプリの同時通訳機能に関する特許です。

 

例えば『LINE』の場合、ユーザがメッセージを送信すると、
下の画像に示すとおり
それに対応する翻訳メッセージが同時に表示されるようになっています。
(※画像はhttp://about.naver.jp/より引用)

 

LINEの通訳機能

LINEの通訳機能

 

上の画像はLINEの同時通訳機能に関するものですが、
両者は、次のような同時通訳機能に関する特許を海外および日本で申請しており、
この通訳機能の特許権を巡って争奪戦を繰り広げています。

 

■LINE株式会社
【発明の名称】メッセージサービス提供システム及び方法
【優先日】2011年12月21日 (日本での出願日:2012年2月16日)
【請求項1】
メッセージングアプリケーションを通したメッセージングサービス提供方法において、
ユーザ端末のメッセージングアプリケーションで提供されるトークセッションを介してユーザが入力した第1言語のメッセージを受信し、
前記第1言語のメッセージを前記第1言語と異なる第2言語に翻訳したメッセージに対応する第2言語のメッセージを生成し、
前記ユーザ端末のメッセージングアプリケーションを介して第2言語のメッセージを提供し、
前記第2言語のメッセージを提供する際には、ネットワークを介して前記第2言語のメッセージを前記ユーザ端末に送信して前記トークセッション内で前記第2言語のメッセージが表示されるようにする
ことを特徴とするメッセージングサービス提供方法。


■カカオ コーポレーション
【発明の名称】チャットウィンドウ内に含まれるメッセージに対して多国語翻訳をサポートする方法
【優先日】2011年12月28日 (日本での出願日:2012年12月21日)
【請求項1】
インスタントメッセージングサービスを提供するチャットウィンドウ内に含まれるメッセージに対して多国語翻訳をサポートする方法であって、
複数のユーザを含むチャットルーム内のユーザからチャットメッセージを受信するステップと、
前記チャットメッセージの構造に基づいて、翻訳エンジンにアクセスするか否かを判断するステップと、
前記判断結果に基づき、前記翻訳エンジンを用いて、前記チャットメッセージに含まれるメッセージの内容を翻訳するステップと、
前記翻訳されたメッセージの内容を用いて前記チャットルームをアップデートするステップと、
を含むチャットウィンドウ内に含まれるメッセージに対して多国語翻訳をサポートする方法。

 

両者の特許出願の内容(通訳機能)は、特許的に非常に近似しているわけですが、
細かい内容はともかく、驚くのは、両者の特許出願の『優先日』です。
優先日とは、第1国(上記事例では韓国)での特許申請日であり、特許するか否かの判断の基準日となる日付です。
特許権を取得する上で極めて重要な日付となります。

 

LINE側の優先日は、2011年12月21日。
カカオトーク側の優先日は、2011年12月28日。

 

したがって、この通訳機能を巡る争いでは、
優先日がわずか1週間早かったLINE側に軍配が上がることになります。

つまり、カカオトーク側は、たった1週間、韓国での特許申請が遅かったために、
特許権取得の優位性を失ったことになります。

 

なお、同様のアイデアについて複数名が特許を申請した場合、
当然のことながら、原則として、最先の1名の者だけが特許権を取得することができます。

数日~数週間、他社より申請が遅かったために、特許権の取得を断念するといったケースも珍しくありません。
特許申請は、申請内容と同じくらい『申請の日付』が重要であることに留意すべきといえます。

 

本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所

 

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Author Profile

富田 款国際弁理士事務所 代表弁理士
■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。

【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団

【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など

【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。

【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」

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