ジェットパックの特許第1号、図面がリアル…

ジェットパックの特許第1号、図面がリアル…

弁理士の富田です。

先日、『ジェット・レブ・フライヤー』の米国特許を紹介しました。
今日は、この種のジェットパックの元祖となる特許技術を紹介したいと思います。

 

本日紹介するジェットパックの特許第1号は、下の図面に描かれているように、
まさに、ひと昔前のアクション映画に出てくるような「空中移動装置」となっています。
この技術は、1966年に米国で特許権として権利化されました。

 

ジェットパックの特許第1号(米国特許権)

 ジェットパックの特許第1号(米国特許権) 

 

この米国特許公報を見てまず思ったのは、『図面がリアルで素晴らしい』ということ。
兵隊さん(らしい人)の影線や、装置の影線まで、細かく描かれていて、
写実的といいますか、実にリアルです。

 

近年の特許図面は、その多くがCADや描画ソフトを使って描かれているので、
このようなリアルな図面を見ることはほとんどありません。特に日本の特許申請では…、
費用対効果的な問題もあるわけですが…

 

それで、肝心の特許権の内容ですが、

・重量物を搭載した胴固定部(10)と、
・推進力を発生させる推進ノズル(32)を具備する上部構造と、
・胴固定部と上部構造とをピボット連結する手段と、
を備える個人用の飛行推進装置、

といった感じの内容になっています。

 

つまり、人間が燃料タンクと、ジェットノズルを背負い、
ハンドルを操ることでノズルの方向を調整するとともに、
推進力を調整することで、
飛行する方向を自在に制御できるようになっています。

 

まさに、ジェットパック(個人用の空中移動装置)の元祖ですね。

 

なお、上の図面を見ると、簡単に操作できるように見えますが、
極めて危険な乗り物で、これを自在に操作できる人は、アメリカでも極わずかだとか…。

 

本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所

 

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Author Profile

富田 款国際弁理士事務所 代表弁理士
■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。

【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団

【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など

【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。

【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」

【富田弁理士への問い合わせ先】
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-16-9 双葉ビル5F
富田国際特許事務所
TEL:03-6205-4272     FAX: 03-3508-2095
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【企業名】富田国際特許事務所

 

【代表者】弁理士 富田 款

 

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