弁理士の富田です。
昨日は『相性が悪い審査官への対応に悩む』の記事を書き、そのような困難な状況での対応について色々と検討してみましたが、
色々と考えてみたら、他にも検討事項があったので、今日は続きを書こうと思います。
⑤ 上申書を提出して審査官の情に訴える。
昔、審査官から拒絶理由通知を受け、権利化が難しいと判断される特許出願がありました。
なんとかして権利化に導きたいが、拒絶理由の回避が相当難しい。代理人弁理士としは非常に悩むわけです。
長く携わっていると、このようなケースにぶち当たることがあります。
そこで、発明や技術とは全く関係ないテクニックではありますが、
試しに審査官の『情』に訴えるような内容の『上申書』を提出してみたところ、
無事に拒絶理由が解消し権利化に導けたことがありました。(その後も何度もうまくいきました。)
この経験を通じて学んだこと。
それは、特許出願の審査は、機械ではなく『一人の人間』が判断しているということ。
100%有効な手段とは限りませんが、
審査官の情に訴え、相手の人間としての感情に働きかけることで、悪い流れを変えることが可能です。
なお、肝心要の上申書の内容ですが、『どうしても特許が必要なんです』みたいな、ありふれた内容では全然足りません。
それなりのテクニックが必要なので、機会があれば守秘義務に反しない範囲で解説したいと思います。
本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所
Author Profile
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■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。
【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団
【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など
【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。
【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」
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