知っていますか?
日本で申請されたすべての特許出願の要約書(abstract)は英訳され、
ネットで閲覧できるようになっています。
弁理士の富田です。
さて、一般の方にはあまり知られてないことですが、
日本の特許庁に対し申請されたすべての特許出願は、その技術分野や内容にかかわらず、
その申請書類の一部(要約書)が英訳されており、
英文抄録としてIPDLの下記サイトで検索することで閲覧できます。
http://www19.ipdl.inpit.go.jp/PA1/cgi-bin/PA1INIT?1387119228943
この英訳は、機械翻訳ではなく、各分野ごとに人間が意味内容をそれなりに理解して翻訳しているため、
完璧とはいかないまでも、外国人が読んでもそれなりに意味内容を理解できます。
なお、英訳作業に関する人件費等は、当然のことながら税金で賄われています。
このように英訳された日本の特許出願の要約書、つまり英文抄録は、主として、
外国人による日本の特許情報の検索に用いられています。
たとえば、日本の企業が欧米等に特許出願すると、
外国特許庁の審査官が、上記の英文抄録データベースを検索し、
日本の同一出願人が過去に特許申請した類似技術を根拠に、その登録を拒絶することがあります。
自分の特許申請の内容がどのように英訳されているか気になる方は、
一度、上記サイトで検索してみるとよいでしょう。
なお、仮に英訳が間違っていた場合でも、それを訂正する術はありませんが、
逆に、その英訳内容が特許権の権利範囲に影響することもありません。
本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所
Author Profile
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■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。
【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団
【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など
【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。
【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」
【富田弁理士への問い合わせ先】
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-16-9 双葉ビル5F
富田国際特許事務所
TEL:03-6205-4272 FAX: 03-3508-2095
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