『価格.com』の価格比較サイトは特許なのか
弁理士の富田です。
家電製品を買うとき、どこで買いますか?
家電量販店で実物に触れ、
気に入ったら、とりあえず何も買わずに家に帰り、
ネット上の最安値で買う、といった方も多いと思います。
そんなとき、多くの方が利用するのが『価格.com』だと思います。
最安値を掲げる販売店が商品ごとランキングされ、
いまどこで買えば安く買えるのかが一目瞭然です。
ところで、この価格.comが提供する価格ランキングシステムは、
特許が取得されているのでしょうか。
気になったので調べたところ、
今から14年前の平成12年3月8日に特許申請されていたことが分かりました。
その申請内容の概要は以下のとおり。(申請内容の全文PDFはコチラ)
・複数の販売者に関し、各商品について各販売者が採用する販売価格を、販売者からの入力に基づいて当該販売者の情報に対応づけて記憶/更新する販売者対応工程と、
・商品ごとに低価格順における上位所定数内に含まれる販売価格及び対応する販売者の情報を抽出し、価格順位情報として記憶/更新する順位記憶工程と、
・ユーザからの入力に基づいて価格順位情報を読み出し、当該ユーザに対し出力するユーザ対応工程とを備える。
この読み難い内容を、ざっくりと要約すると、
・販売店から提供された『価格情報』と『販売店情報』とを関連付けた状態で、低価格順に記録し、
・その価格順位情報を、サイト訪問者であるユーザが閲覧できるように出力する、
といった内容になっています。
まさに、価格.comが提供するサービスそのものといった感じです。
しかし、残念ながら、この価格比較サービスの特許申請は、
裁判所に訴えてまで権利化を争ったものの、
最終的に特許になることなく、拒絶処分となって手続きを終えることになりました。
次回以降は、この価格.comのビジネスモデル特許が拒絶になった原因を探ってみたいと思います。
本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所
Author Profile
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■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。
【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団
【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など
【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。
【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」
【富田弁理士への問い合わせ先】
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-16-9 双葉ビル5F
富田国際特許事務所
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