ネイルステッカーの登録意匠とネイルサロン

11.27


ネイルステッカーのデザインは意匠登録できるけど、
その意匠権ではネイルサロンの装飾行為を制限できない。

弁理士の富田です。

下の画像が何かわかりますか?
意匠登録されたネイルステッカーです(意匠登録1441833号)。

※特許庁IPDLより引用

※特許庁IPDLより引用

 

意匠というのは、物品の『デザイン』のことを指します。
斬新なデザインは、特許庁に意匠登録することで意匠権を得ることができ、
意匠登録から20年間そのデザインを独占できるとともに、他人のデザイン模倣を制限できます。

 

ですから、第三者に物のデザインをパクられたくないときには、
まっさきに意匠登録することが得策といえます。

 

ところで、上記のネイルステッカーのデザインは、
新規なネイルデザインとして意匠登録されたものですが、
このような意匠権の効力について一つ注意すべき点があります。

 

意匠権というのは、『デザイン』と『対象物品』のセットで構成される権利です。
ですから、登録対象の物品(上記事例でいえばネイルステッカー)から離れて、
デザイン(絵柄など)だけを模倣する行為には意匠権の効力が及びません。

 

具体的には、たとえばネイルサロンのおねえさんが、
上記画像のネイルデザインの絵柄をそっくりそのままパクって、来客者の爪に描いたとしても、
当該意匠権の対象物である『ネイルステッカー』の製造には該当しません。
ですから、ネイルステッカーの意匠権では、ネイルサロンの装飾行為を制限できないということになります。

 

なお、このように物品から離れたデザインだけを模倣する行為については、
別途、著作権侵害との関係で検討の余地はありますが、
その点については別の機会に解説したいと思います。

 

本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所

 

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Author Profile

富田 款国際弁理士事務所 代表弁理士
■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。

【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団

【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など

【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。

【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」

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