フェラーリのデザインと意匠権

12.25


泣く子も黙るフェラーリ。
その美しいデザインは、何もせずに放置していると、玩具メーカーによる模倣の餌食となる。

弁理士の富田です。

フェラーリ。
高級スポーツカーの代名詞であり、もはや説明もいらないでしょう。

 

さて、こういった美しい外観の高級乗用車は、
プラモデルやラジコンなどを製造する玩具メーカーにとって、
恰好の模倣対象です。

 

したがって、
自動車メーカー側が『自動車』のデザインについて意匠権を取得しただけで、
他に何も措置を講じない場合には、玩具メーカーによる恰好のパクリのターゲットになります。

 

なお、意匠権というのは、
・『物品』と
・その外観などの『デザイン』
のセットからなる権利ですから、
たとえば、『自動車』について新型フェラーリの外観デザインを意匠登録しただけでは、
玩具メーカーによるプラモデルへのデザイン転用(つまりパクリ)を阻止できません。

 

そこで、イタリアのフェラーリは、次のとおり、
全く同じデザインについて、
・『自動車』についての意匠権と、
・『玩具』についての意匠権
の両方を取得しています。

 

左側:『自動車』についての意匠権。 右側:『玩具』についての意匠権

左側:『玩具』の意匠権 右側:『自動車』の意匠権

 

右側:『自動車』の意匠権。 左側:『玩具』の意匠権

左側:『自動車ハンドル』の意匠権 右側:『玩具』の意匠権

 

このように、意匠制度というのは、
『1物品』について『1デザイン』を登録して保護する制度ですから、
自動車と玩具のように、複数種類の物品についてデザインを保護したい場合には、
原則として物品の種類ごとに意匠権を取得する必要があります。

 

本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所

 

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Author Profile

富田 款国際弁理士事務所 代表弁理士
■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。

【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団

【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など

【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。

【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」

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