特許権侵害における共同企業体(JV)の連帯債務
弁理士の富田です。
A社、B社、C社が建設共同企業体(JV)を結成して、施工を実施し、
後に、A社が侵害被疑者として特許権侵害で訴えられた件がありました。
(護岸連続構築方法の特許権侵害事件)
この護岸連続構築方法の特許権侵害事件(東京地裁平成22(ワ)44473)では、
共同企業体(JV)の連帯債務のあり方について、裁判所は次のとおりに判示しました。
本件JVは、被告方法を使用するに当たり、少なくとも、本件特許権があることを認識することができたにもかかわらず、これを認識することなく、被告方法を使用して本件特許権を侵害したことを推認することができるから、本件JVには、本件特許権の侵害について、過失があったものと認められる。
そして、被告は、建築、土木工事等を業とする株式会社であるとともに(弁論の全趣旨)、本件JVの構成員であるから、商法511条1項により、被告JVが本件特許権の侵害によって負う不法行為に基づく損害賠償債務につき、連帯債務を負うというべきである。
(最高裁平成6年(オ)第2137号)
つまり、特許権侵害で生じた損害賠償債務に関し、
構成員に会社を含む共同企業体の各構成員は、
共同企業体がその事業のために第三者に対して負担した債務につき連帯債務を負うことになります。
本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所
Author Profile
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■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。
【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団
【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など
【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。
【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」
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