スマホのイヤホン、『右側』と『左側』で違う音楽を流せる!?
弁理士の富田です。
いまから20年くらい前のことでしょうか、ウォークマンの全盛期だったころ、
イヤホンの右側と左側を2人でシェアして、
2人で仲良く流行りの音楽を聴いている姿を街中でよく見かけました。
主に高校生くらいの若者がやっていたように記憶しています。
最近アップルが申請した下記の米国特許出願によれば、
上記のようにイヤホンを二人でシェアしても、
各人が同時に、それぞれ好きな音楽を聴けるようになるみたいです。

アップルの米国特許出願
上の図を見ていただくと分かるように、
この米国特許出願で登場する主なデバイスは、
基本的にスマホとイヤホンだけです。
では具体的にどうやって
一つのイヤホンで左右の鳴り分けを行うのか。
アップルの特許申請ですから、
『マニュアル操作』ということはありません。
この米国特許出願の内容によれば、
イヤホンが『マルチユーザセンサー』を具備していて、
そのセンサーによって、複数人でシェアしているか否かの判断を行うようになっています。
イヤホンが具備するマルチユーザセンサーは、『角度センサー』を内蔵していて、
その角度センサーが、イヤホン・ケーブルのY字状分岐部分の分岐角度を計測する
ようになっています。
つまり、
一人で音楽を聴くときは、
Y字状分岐部分の分岐角度が、それほど大きくないので、
一人で聴いていると判断され、
イヤホンを二人でシェアして音楽を聴くときは、
Y字状分岐部分の分岐角度が、比較的大きくなるので、
二人で聴いていると判断されることになります。
そして、二人で聴いていると判断されたときには、
モノラルモードでの再生に切り替えるとともに、
左右の各スピーカーから、それぞれ異なるコンテンツを流すようになっています。
アイデアとしては斬新なのですが、
最近では『イヤホンをシェアする』といった光景はほとんど見かけないので、
価値ある権利となるかどうか…。
なお、本日紹介した米国特許出願の全文PDFはコチラから。
本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所
Author Profile
- 国際弁理士事務所 代表弁理士
-
■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。
【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団
【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など
【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。
【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」
【富田弁理士への問い合わせ先】
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-16-9 双葉ビル5F
富田国際特許事務所
TEL:03-6205-4272 FAX: 03-3508-2095
※ 富田弁理士へのEMAILはコチラのメールフォームよりお願いいたします。
最近投稿した記事
- 2024-03-08特許「学習済みモデル」について特許申請する場合に留意すべき明確性要件
- 2024-03-07弁理士 富田款AI技術関連の特許出願におけるサポート要件の理解
- 2024-03-06特許AI技術を活用したレーザ加工装置の特許事例について
- 2024-03-01商標「デコピンくん」商標出願の波紋