Amazonの『ドローンを利用したデリバリー』に関するパテント、
国際特許出願の調査結果では、その特許性(登録可能性)が否定される・・・
弁理士の富田です。
以前の記事で紹介したAmazonの『ドローンを利用したデリバリー』に関する米国特許申請ですが、
このアイデアは、国際特許出願(PCT出願)のルートでも特許申請されていることが確認されています。
その国際特許出願(PCT出願)がコチラ。
※ 下の画像をクリックすると全文PDFが見れます。
国際特許出願(PCT出願)を申請すると、
所定の期間内に、管轄の国際調査機関から
新規性や進歩性などの特許性(登録可能性)に関する報告書(いわゆるサーチ・レポート)と見解書が送付されます。
Amazonの国際特許出願に対する『サーチ・レポート』と『見解書』がコチラ。
※ 下の画像をクリックすると全文PDFが見れます。
上記サーチレポートのPDF4ページ目に記載のとおり、
カテゴリーYに属する『進歩性否定』の文献が2件、引用されています。
2件の引用文献の概要は次のとおり。
※ 下の各画像をクリックすると全文PDFが見れます。
1番目の文献1(公開日:2010年7月1日)には、主として、
トラックを利用して荷物を配送する方法が開示されていて、
2番目の文献2(公開日:2011年4月14日)には、主として、
ドローンを利用して荷物をデリバリーする方法が開示されています。
国際調査機関が作成した見解書によれば、
Amazonのドローン・パテントは、
文献1発明と文献2発明を組み合わせることで容易に発明できるとして
その進歩性(特許の可能性)が否定されています。
Amazonが申請している特許出願の今後が気になるところではありますが、
それ以上に、国際調査で見つかった文献2の「ドローン・パテント」が気になるので、
その内容を分析して次回あらためて紹介したいと思います。
本日もお読みいただいて有難うございました。
Author Profile
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■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。
【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団
【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など
【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。
【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」
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