アメリカンな米国のフード・パテント(食料品に関する特許)
弁理士の富田です。
さて、食品に関する知的財産として
以前『クロワッサンたい焼き』に関する日本の実用新案権を紹介しましたが、
今日は、アメリカの食品に関する特許を紹介したいと思います。
知的財産に不慣れな方はご存じないかもしれませんが、
食品の作り方や、食品の構造というのは、
特許権の付与の対象になります。
勿論、特許権の付与にあたっては斬新な特徴が必要ですが、
そういった一定の要件を満たせば、食品にも特許権が与えられます。
代表的なものとしては、『おもち(餅)』がありあす。
おもちの構造や製造方法というのは、特許の対象となります。
そのほか、クロワッサンたい焼きなどの焼き菓子も、特許の対象に含まれるといって良いでしょう。
一方、アメリカでは、食品特許は『フード・パテント』と呼ばれ、
古くから、多くのフードが特許申請されてきました。
その内容は勿論アメリカンです。
今日は、そのようなアメリカンなフード・パテントを一つ紹介したいと思います。
誰が見ても分かるとおり、
これは『ハンバーガー』に関する米国特許です。
アメリカでは、ハンバーガーだって特許とれてしまうわけです。
(まぁ日本でもとれますが…)
この米国特許の具体的な権利内容というのは、
・二枚のパン(11)(11)の間に『肉(12)』と『食べられる皿(14)』を具備するハンバーガーであって、
・『食べられる皿(14)』は円形で凹状に形成され、
・『食べられる皿(14)』はその内側にサラダ(15)を収容していて、
・『食べられる皿(14)』にサラダ(15)を載せることで、サラダの新鮮さが維持されるとともに、サラダの落下が防止される、
といった内容のハンバーガーになっています。
『食べられる皿(14)』というのが気になったので、
文献を読み込んでみたところ、
焼いたりフライにしたポテトなどで形成されているらしいです。
つまり、ポテトフライなどで作られた皿ということになります。
おもしろいアイデアですね。
お持ち帰りのハンバーガーでは、
ポテト製の皿がふやけてしまって使い物にならなくなりますが、
お店で食べるならありかもしれません。
なお、この特許権は、1988年に発効されたものですから、特許権は随分前に切れています。
気に入った方はどうぞ取り入れてみてください。
最後に、今日紹介した米国特許権の全文PDFはコチラから。
本日もお読みいただいて有難うございました。
虎ノ門 富田国際特許事務所
Author Profile
-
■ 1997年より国際弁理士事務所にて、主に、米国・欧州・日本における知的財産権業務に従事。
■ 国内および外国のオフィシャル・アクションへの対応、外国法律事務所へのインストラクションなどを担当。また、米国やドイツのクライアントからの日本向け特許出願の権利化業務を担当。特許の権利化業務のほか、特許権侵害訴訟や特許無効審判、特許異議申立、口頭審理対応、侵害鑑定の業務も担当。訴訟業務では、特許権侵害訴訟のほか、特許無効審判の審決取り消し訴訟を経験。
【所属団体】 日本弁理士会,日弁連 法務研究財団
【専門分野】 特許、商標、意匠、不正競争防止法、侵害訴訟など
【技術分野】 機械、制御、IoT関連、メカトロニクス、金属材料、金属加工、建築土木技術、コンピュータ、ソフトウェア、プラント、歯科医療機器、インプラント、プロダクトデザイン、ビジネスモデル特許など。
【その他の活動】
■ 2013.09.17 セミナー講師: 東京メトロポリタン・ビジネス倶楽部 「職務発明の取り扱い」
■ 2014.04.19 テレビ出演: テレビ朝日 「みんなの疑問 ニュースなぜ太郎」
【富田弁理士への問い合わせ先】
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1-16-9 双葉ビル5F
富田国際特許事務所
TEL:03-6205-4272 FAX: 03-3508-2095
※ 富田弁理士へのEMAILはコチラのメールフォームよりお願いいたします。
最近投稿した記事
- 2024-03-08特許「学習済みモデル」について特許申請する場合に留意すべき明確性要件
- 2024-03-07弁理士 富田款AI技術関連の特許出願におけるサポート要件の理解
- 2024-03-06特許AI技術を活用したレーザ加工装置の特許事例について
- 2024-03-01商標「デコピンくん」商標出願の波紋